「オッケー!で、この机を壁まで寄せよう!」
とある郊外の地域センター。そこを稽古場として借りる。どこの劇団もやっている稽古場確保術。借りた部屋に置かれている机をどかして演技エリアを作る。
「で、はじはじに机を寄せて、このど真ん中を通路としてあけて…と。これで皆、一休さんみたいに堂々とトイレに行けるっしょ!」
「(保坂さん)『はじを通らずに真ん中通って』ね。」
「(僕)そうね!でもさ…考えてみると『一休』てのも凄い名前だよね。お坊さんていうストイックな職業なのに『休む!』て名乗ってんだぜ?」
「(保坂さん)まぁ、アニメの『一休さん』のイメージとは違って本当の一休さんて痩せてヒゲ面のかなり破天荒な坊主だったらしいですもんね。」
「(僕)それ、聞いた事ある。」
「(保坂さん)肉食ったり、女抱いたりしてたんでしょ?」
「(僕)俺も…なんか聞いた事あるぞ。川で洗濯している女性の着物から見える股間に『ありがたや』て手を合わしてたとか。」
「(保坂さん)テレビではあんなに可愛いのに…」
「(僕)『ひと休み。ひと休み』って…。まぁ、でもひと休みな分だけ偉いか。俺なんかひと休みじゃ足りなくてふた休みか、さん休みぐらいしたいもんな。」
「(保坂さん)三休さんですね。もしくは連休さんですね。」
「(僕)まぁ、もっと贅沢を言わば『全休さん』になりたいけどな。」
「(保坂)そこまでいったらもはや『引きこもり』ですね…。」

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