「(保坂さん)でも…あれらしいっすよ…『ウンコを食べる』で言えばウサギもウンコを食うらしいっすよ。」
「(僕)時々聞くよね。『動物がウンコ食べる』ってやつ。」
「(保坂さん)ウサギは…あれらしいっすよ…ウンコを食べる事で消化しきれなかった栄養分をもう一度、とりこむらしいっすよ。」
「(僕)なんだとっ!?」
「(保坂さん)らしいっすよ。」
「(僕)なるほど…消化不良とはいえ、一度胃と腸を通過してるから、もう一度それを取り込めば二回目は吸収しやすいって訳か。」
「(保坂さん)らしいっすよ。」
理にはかなっている。しかしだ、人間では考えられぬ。消化不良でウンコとして排泄されたものをもう一度食べるなんて…。恐るべし。動物のバイタリティー。
「(保坂さん)でも、やっぱり凄いのは『虫』ですよね…」
「(僕)ああ…『虫最強説』な…」
「(保坂さん)例えば鳥とかって飛ぶ為に両手を犠牲にしてるじゃないですか…」
「(僕)まあね…」
「(保坂さん)でも…虫って6本の手足そのままでかつ、飛べるんですよ。」
なるほど。言われてみれば確かにそうだ。しかも虫はまるで標準装備のようにそのほとんどが空を飛べる力を持っている。
「(保坂さん)それに虫って『第二の脳』みたいなのがあるみたいで、例えばゴキブリは頭を落とされても、第二の脳が無事であれば生きていけるらしいっすよ。」
「(僕)なんだとっ!?」
「(保坂さん)らしいっすよ。1ヶ月くらいは生きていけるらしくて、でもそれは頭がなくなると、エサを食べる事が出来なくなるから死んじゃうのであって、例えばもし、虫に点滴みたいな栄養を送る事が出来たら、ずっと頭なしでも生きていけるらしいっすよ…」
「(僕)…………虫ってさ…めちゃめちゃ高度な本能とめちゃめちゃ低い知能を持ってるじゃん。なんなんだろうね…」
虫か…。ある意味、ロボットやサイボーグだな。プログラムされた事はスーパーコンピューター以上なのに、プログラムされていない事は一切、自分で判断出来ない。例え死んでしまうのに、火を見つけると飛んでいってしまうようにプログラムされているサイボーグ…。
虫よ…。いや、君たちこそターミネーターよ…。

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