東京に帰ってはや、1週間以上。全国的な猛暑の中、夏は後半に入ってる。猛暑は辛いとはいえ、夏と晴れが好きな僕は図書館なんぞで本を借りる際の
「8月22日迄にお返し下さい。」
てのを聞くと、
(ああ…これを返す期限の頃は、夏も終わっちゃうな…)
と寂しく感じるのである。
とはいえ、来たからには過ぎ行く夏である。精一杯この季節を楽しもう。
夏の楽しみ方と言えばお祭り、花火大会。昨日は近所の多摩川で花火が上がる。早めに夕食をすませ、食後の運動も兼ねて、多摩川土手に出る。7時前だがまだ明るい。遠くの富士山がとがって見えている。これは珍しい。大きな積乱雲は雷で中が光っている。
最初は離れた所で見ていたが少しずつ少しずつ花火に近づいてみる。時折、うち上がった花火の下を小田急線が通過する。橋を渡る電車の中から見る花火てのも悪くないだろうね。
花火は3部構成になってるらしく、ふいに終わったかのように見せかけてはまたうち上がる。
打ち上げ場所近くには夜店も出ており交通整理の警察官もあいまって、いっそう賑やかだ。
中高生のはしゃぐ声が聞こえる。うん、君たちにはたまらないだろうね、花火大会会場で会う意中のクラスメートってのは。
《…市、花火大会第三部、グランドフィナーレです!》
会場に花火大会のラストを告げる放送が響いた直後に流れるのは…
【♪welcome to the“STARLIGHT PARADE”♪】
《ひゅ〜、ひゅ〜、ひゅ〜》
【星の降る眠れない夜に…♪】
《ポン!ポン!ボボボン!》
SEKAI NO OWARI『STARLIGHT PARADE』である。
【♪僕たちを連れて行ってあの世界へ♪】
《ひゅ〜、ひゅ〜、ドーン!ドドドーン!》
この演出に歓喜の声をあげるは勿論、中高生である!うん、君たちにはたまらないだろうね、花火大会会場で意中のクラスメートとSEKAI NO OWARI聞きながら花火見りゃ、テンション上がるわな。
いつしかSEKAIが終わって曲が変わっても花火はその最後まで人々を魅了し続けながらうち上がっていく。
【♪だから好きだと言って、天使になって、そして笑ってもう1度♪】
花火の最後を飾る曲は桑田佳祐さんの『波乗りジョニー』
僕はどっちかと言うとやっぱり桑田さんだな。
中高生はセカオワの、中高年は桑田さんの余韻に浸りつつ、夜空はまた黒一色に戻っていった。


5