「しかし、歴史物の芝居ってのは、ある程度の知識がないと分からないよねぇ。」
「頑張って読んでも同じような名前が沢山出てくるからもう誰が誰やら分からなくなりますもんね。」
「昔は王位を継承すると親と同じ名前になったりしますからねぇ。」
「おまけに長いもんねぇ。シェイクスピアの『ヘンリー6世』なんかも1部、2時間くらいあるのが3部まであるからねぇ。」
「だからあらすじ書いてくれてる解説本って有難いんだよね。」
「『源氏物語』なんかも結局、解説本で理解しましたからねぇ。」
「あれも凄い長いんだよね。しかし、紫式部さんも大変な物を書いたよね。光源氏ってのはやっぱりモデルがいたのかなぁ。」
「あの光源氏ってのも凄いんだよね?義理のお母さんを妊娠させたり、14歳くらいの少女を手なづけたり、60過ぎの年配に手を出したり…」
「もう一回言うけど、紫式部さんも大変な物を書いたよね。よく書いたね、そんなハードなドロドロ劇を。」
「それ考えると同じ時代でも『枕草子』の清少納言は凄い健全だよね!《春はあけぼのがいいよね!とか夏はやっぱ夜だよね!》とかさ!めちゃくちゃ純粋でいい子だよね。」
「確かに紫式部と比べると……いい子だね。清少納言。」

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