さて、座禅ですが…。座禅してると当然、考えてしまうのが『煩悩』です。普段の生活だと、あえて『煩悩』なんて考えませんが、座禅なんてしてると改めて『煩悩』の事を考えます。
でも、考えてみると煩悩ってのもなきゃないで…いかがなものか、と。
おそらく煩悩がなくなると、人生はつまんないものになるでしょう。芝居やドラマ、映画なんて煩悩が元になってるものが多い!色恋沙汰の愛憎劇、不倫劇、欲と権力の裏側を暴く社会派ドラマ…ちょいと特急電車に乗れば殺人事件に巻き込まれる!ま、殺人事件は『煩悩』というより『業』かもしれませんが。落語なんて煩悩による滑稽話の多い事!『勇者ヨシヒコ』なんて煩悩だらけやもんねぇ。でも『ヨシヒコ』の場合は仏が一番煩悩強そうですが。
煩悩は他の動物にはない、人間のみにある特徴だと考えると煩悩のある人間こそ人間らしい人間という事にもなります。
贅肉や脂肪はありすぎると様々な病気を引き起こします。でもなさすぎて皮と筋肉だけの体脂肪、数%のムッキムキになると、これまた免疫力が低下して風邪なと、病気になりやすいとか。やっぱり贅肉や脂肪もほどほどについてるのが宜し!
(煩悩とは心の脂肪なり)
ありすぎると身を滅ぼすが、ないと人生、風邪ひくよ。ほどほどな煩悩は人生を豊かにするのではないか。
冬の早朝、ほの暗いお寺の中。時を知らせる柱時計の時報が僕の座禅の終わりを告げた。

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