「鎌倉さん、何でしたっけ?あの言葉…。そうだ。『明日死ぬかのように学び、永遠に生きるかのように生きよ』、誰の言葉でしたっけ?インドだかどこだか…」
「いやいや!ちょっと待って川村さん。」
「はい?」
「ん?それ、ちょっと違うな。いや!だいぶ違うな。チョイスしている言葉はほぼほぼ合ってるけど、言葉の並べ替えという点ではかなり違うな。それだと意味自体は真逆になりますね…。」
「え?そうでしたっけ?インドの…」
「いや、考えてみ。明日死ぬんだったら今さら何か学ぼうとはしないよね。永遠に生きられるんだったら、そのうちやりゃあいっか!って事になって、これも学ぼうとしないよね。」
「あ…」
「うん。『あ…』じゃないよ。それだと、怠け者の理想の生き方だね。それは。」
「あ…」
「気づいたね。良かったね。危うく僕の教えた言葉が怠け者を1人造る所だったね。」
「(とある後輩が)川村さん!今、小田原警察から劇場に電話があって川村さんがなくしたPASS、小田原警察署で保管してるそうです!」
「(川村さん)小田原っ!」「(僕)小田原か…」
「(川村さん)面倒くさいなぁ…。………。………………。…………………。鎌倉さん僕の代わりに取って来てくれませんか。」
「(僕)おいっ!!」

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