ごめんなさい。本当にごめんなさいですが、またザリガニの事を。
僕の水槽には今、小指くらいのザリガニと小指の第一間接くらいのザリガニと、二匹、小さなザリガニを飼ってるのですが、これがなかなか見てると面白いのです。
案外人間に近い所がありまして、それはエサを手で(はさみ)でちぎって食べるのです。魚は手がないので、エサは一口でぱくり。でもザリガニはエサをハサミでつまんではぱくり。つまんではぱくり。人間がパンを手でちぎって食べるように食べてます。よく考えたら、動物の中でもあまりいないんじゃないでしょうか。手でちぎって食べる動物は。犬や猫もエサを手で押さえて食べたりはしますが手でエサを口に運んだりはしません。鳥は手がないし、イルカやクジラも手は使わない。
そんなこんなで水面に浮かんだエサを取ろうとするザリガニですが、これがスイスイ泳げる魚達と違って泳げない!水底から遠く水面に浮かぶエサを見上げながらハサミでもがいてる。しかしそのうち水槽内の木を伝って水面に浮かぶ水草につかまりながら水面に到着。エサをつまんで食べてるのだが、このつかまってる水草が時に小さくてザリガニの体重に耐えられず、ザリガニは食事しながら無情にも水草もろとも底に沈んでいく。
(あ〜あ〜あ〜、そんな小さな水草つかむから)
僕はつっこむ。そしてまたザリガニは水面を見上げながらハサミを揺らしてる。いくら頑張っても手の届かぬ水面に向かって。そんなザリガニの後ろをドジョウが「ちょいと通るよ。」とばかりに横切ると今度はビビったザリガニはビョンッ!と跳ねて一瞬で水面に移動している。
(だったら最初からそれ使えや。)
僕はつっこむ。
食パンをたまにあげてみる。食パンは水を吸うと底に沈む。沈んだ食パンを……ザリガニは…………
手でしっかりつかんで一目散に逃げた!
(独り占めするんかい!)
僕はつっこむ。

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