馬はとても臆病な生き物である。そもそも草を食べて生きてるくらいである。その性格は元々穏やかである。
人間には分からぬような物音に反応して走るのを急にやめて止まったりすることもあるらしく、その為乗ってた人が落馬する事もあるらしい。その昔、戦国時代、ひっそりと物影に隠れて敵が近づくと一斉に大きな物音たてて襲い掛かる『奇襲戦法』はおおいに騎馬隊を大混乱に陥れた事だろう。
「お〜い!太郎ぅ!」
一期上の先輩、平井さんが呼んでいる。今回馬に乗る役者は仲代さんと平井さんだけ。その為、平井さんは毎朝6時半には馬場に来て担当の馬で朝の乗馬練習を欠かさない。
「(僕)は〜い。なんでしょう?平井さん。」
「(平井さん)あそこ…分かるかな?あの茂み…あそこに…キツネがおんねん。」
「(僕)キツネ!?」
「(平井さん)キツネがおるから怖がってコイツ(馬)が動かんねん。ちょっと追っ払うてくれるか?」
体長ニメートル以上もあって体重400`以上もあって…。馬って臆病なのね…。戦に向いてて戦に向かない、そんな矛盾も素敵な馬達!!


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