最終話。もらい泣きで、泣けに泣けました。姫子が涙声で語りだすと、こっちまで涙が滲んで、画面が曇って見えないので、3日間かけ5,6回程、見直しました。
でも、その度に泣けるのだわ、これが。
私が、神無月の巫女の前に泣いたアニメが、「舞−HiME」の第8話でしたが、こちらは番組終わりの方数分間。これに対し、神無月の巫女最終話は、ほぼ全編25分間泣けて泣けて…。ティッシュ1箱使っちゃうし、翌朝、目は腫れぼったいし、大変でした。
泣けるアニメ、最高でした。
それで、自分の感想記事を読み返してみると、やっぱり初期の評価が、結構低いんですよね。反省の意味も込めて、改めて、まとめの感想などを書いてみます。せっかく、DVD第一巻も買ったので。
第1話 常世の国
TV放送の第1話は見逃し。その後、ネットの無料配信で補完した。 今回、DVDでちゃんと見直しました。
「月には、朽ち果てた、誰も知らない社があるの」という、姫子のナレーションから物語は始まる。冒頭のナレーションが、大神先生や、千歌音ではなく、姫子である事が、既に仕込まれていましたね。前世の月の社の人柱は姫子だったわけで、このナレーションは運命の輪廻を知る立場、すんわち「前世」の姫子だったのですね。
姫子役は、下屋則子さんという、正直これまで聞いた事も無い声優さんでした。でも泣きの演技には、正直、かなり引きずられました(想像するに、泣き声のオーディションでもしたのでしょうか?)。
この第1話は、ネットで話題になった通り、「百合&ロボ」という取り合せで、視聴者の興味本位な好奇心を鷲掴みした訳で、冒頭話としては大成功です。
実はDVDで観ると、第1話では、アクション・シーンも結構動いてました。
第1話は本格的なストーリーや、キャラの心情を掘り込むのではなく、今後に話を進めて行く上で、先に舞台装置や設定を垣間見せる話でした。既にこの第一話で、その後、物語のキーになるシーン、鬼の面を被り、剣を手にし、血染め巫女衣装の千歌音が、フラッシュ・バック的に提示されていました。この前世シーンこそ、この物語の核の部分でした。
第2話 重なる日月
これは、キャラクター関係の基本線を、視聴者に確認させる話。「心優しいけど、弱い」姫子は、事態の重さに逃げ腰。「姫子を守る=Love」と、大見得をきるソウマ。「姫子を好きだが、女同士」と言う事と、ソウマの存在を知り、踏み出せない千歌音。
この三角関係を、とりあえず提示し、軽く印象付ける話でした。
第3話 秘恋貝
千歌音、姫子と一緒。この話の時期が、千歌音は幸せの絶頂期。一緒に食事、一緒にお風呂、一緒にお着替えと、姫子と一日中一緒で御満悦。まだ、例の運命の記憶も取り戻していないので、オロチにより世界が混乱しようが、千歌音の心中はハッピーなのです。
この話の辺りから、物語の世界が閉じている事を、視聴者サイドも認識出来る様になってます。つまり、「世界を救う」とか「正義と悪の戦い」という、本来的に視聴者の念頭に浮かぶキー・ワードが、しょせん物語の装飾部分にすぎないと理解できますね。
第4話 思い賜うや
ソウマと姫子のデート。それを無邪気に、千歌音に相談する姫子。千歌音は、姫子の幸せを願いつつ、嫉妬に身を焼く。
そして、運命の記憶を取り戻してしまう。
千歌音、幸せの絶頂からどん底へ一直線でした。失礼、勘違い7話の話
第5話 夜闇を越えて
ツバサ&ソウマ兄弟の話は、実は余談。本筋は、「髪留め」のエピソードで、姫子の気持ちが千歌音に対しては友情、ソウマに対しては愛情だと、視聴者&千歌音に思わせる話。ツバサ&ソウマの兄弟関係のエピソードが薄いのは、実は視聴者を千歌音に感情移入させるためワザと仕組んでると思う。
これにより、視聴者は千歌音VSソウマの構図を容易に受け入れられる。
第6話 日溜りの君
ここでやっと、姫子と千歌音の出会いが描かれる。視聴者が十分に千歌音というキャラを把握し、感情移入出来る様になったタイミングで、出会い話を入れてくる。
実は、千歌音と姫子の関係で、一番重要なのは、前世の別れの部分なので、ここではあまり派手な話は入ってこない。
第7話 恋獄に降る雨
オロチの精神攻撃を受ける千歌音。これは、千歌音の姫子、ソウマ、世界全体に対する想いの深さを、オロチの精神攻撃という形で確認した話。実は前半部は、総集編的な話だったと思う。
後半は。千歌音、姫子とソウマのKISSシーンを目撃、そして運命の記憶を取り戻してしまう。千歌音、どん底へ一直線でした。
一方、姫子はソウマに対する想いが、恋心でないと気付き始める。ソウマとキスした事に、罪悪感を覚える。
お話上、重要なターニング・ポイント。
(この項、一部追記)
第8話 銀月の嵐
総集編&ターニング・ポイントの後なので、一気に事態は風雲急を告げるわけ。千歌音オロチ化。
思うに、この話から、視点が千歌音から姫子に移っている。例えばアバンで、姫子サイドから見た、千歌音との出会いが描写されている。(この項、一部追記)
第9話 黄泉比良坂へ
ここに来て、やっと姫子の心情に光をあてる話。ある意味、ここまで姫子の真情は伏せられていた。それ故、観ていて真情が見え見えの千歌音に、視聴者はより感情を移入させ易ったと思う。ストーリー的には、ソウマは当て馬と、この話で判明。
第10話 愛と死の招待状
カタルシス!。とりあえず、アメノムラクモという最終アイテムを復活させ、後は戻ってきた千歌音と姫子のラブラブを見せる。
最終決意の前の一時の休息に思えるが、実は、千歌音と姫子にとって、世界に本当に必要なのは、お互い以外の何者でもない事を確認させる。
運命の記憶フラッシュ・バック再びで、視聴者にもネタバレ。
第11話 剣の舞踏会
話は最終局面へ。千歌音は悲壮な決意を秘め、ひたすら姫子のため、オロチとして振る舞い、ついに姫子の剣に倒れる。
第12話 神無月の巫女
まず、神無月の月は、天体のお月さまだったんですね。これは、ちょっと、吃驚しました。要するに、月には(人も)神様も居ない、そこに悪神オロチを封印しておくには、社とその人柱になる生け贄の巫女が必要と。さもないと、オロチを押さえ込む神の力が働かないわけですね。それがタイトルとは、気付かなかった。地球上にいる神々と、社を繋ぐ媒介者だったわけだ。
それで最終話は、上に書いた様に、ひたすら泣きでした。よかったです。こういうの、私は大好きです。

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