いよいよ公開まで、約1ヶ月程だそうだ。TVアニメの方は、以前の本放送で、一応、全編を観たわけだが、それなりに面白かったとは思ってはいる。ただシリーズ最後に、本ボスを生死不明にしたり、無責任な形で、向こう(TVでのエド達の錬金術)の世界と、こっちの世界(我々の知る歴史のWWII戦前ドイツ)のナチを繋げてみたあたり、特に反発感を覚えたりしたんですね。
それが、つい最近。その劇場版・予告チラシを貰う機会があって、ちょっと読んでみましたら、結構、驚ろかされました。
へー、
真正面からTVの続編を描くんだ。しかも、TVアニメでは最後に匂わせるだけで終わったナチズムと錬金術師との関係も、ちゃんと劇場版でまともに描く、という内容みたいですね。
これは、凄いと思う。特に、TVでは誤魔化して終わっていた部分に、自ら光を当てるわけで、TVシリーズの視聴者として好感も持てます。
劇場版・公式HPによると、ルドルフ・ヘスなんかも、主要な登場キャラクターみたいだし、映画の舞台が1923年11月のドイツ、ミュンヘン一揆。要するに、まだ未熟なヒトラーがクデーター未遂事件を起こしたが失敗し、逮捕されて監獄に入いる事になった事件の時。その獄中で書いた本が、(最近、別の方が同名の本を書いて、そっちの方が有名だけど)「我が闘争(Mein Kampf マイン・カンプ)」。尚、この映画に出てくるルドルフ・ヘスは、やはり一揆後、ヒトラーと同房に入獄して、この本を共同執筆(口述筆記とも)するナチのメンバー。
得意(?)の妄想ですが、あるいは映画の結末は、この本とヒトラーに繋がりそうな予感。こっちの世界における錬金術の存在が、この世界の道理を外れている事から、歴史に悪影響を与え、その後の悲劇へも繋がって行きそうな予感もある。前のTVの終わりの時は、その「繋がり」の部分を、凄く誤魔化している様に思えたのだが、この映画は、まさにその「繋がり」の部分をモチーフにしている訳で、
大変に潔い内容選択の続編だと思う。
そんな訳で、もしかしたらこの夏は、黄色い声のおねーちゃん達の背後から、劇場版を見てみようかな?って感じであります。但し、上映時間が90分〜2時間程度と予測される訳で、その短時間で黎明期の国家社会主義ドイツ労働者党と神秘主義、そして錬金術師の話しをまともに絡め、その上でエドとアルの兄弟にもそれなりの結末を用意するのは、かなり至難の業と思われます。
それで思い出したけど、「
2・26事件」が単なるお飾りの背景で、作中に取り上げた意味が、結果として一片も無かった、
宮部某の小説の二の舞にならぬ事を願うばかりである。

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