お見事。今季観ていたアニメの中で、一番興味深く視聴してました。
それにしても、ラスト・エピソードの落ちが、まさかの「夢落ち」とは驚かされました。しかも、取って付けた「オチ」ではなく、見事に計算され、展開にはまって、最後に大きな謎まで提示した、上手いオチです。
「
わたし」の
学舎時代の記憶は、ラストで「
わたし」が
箒頭な子供の容姿に戻り、「……
全ての閃きを夢特有の曖昧さの中に置き忘れてしまうのでしょう……」といった台詞から、前話(
episode.11)の話中で「
わたし」が孤独故の慟哭から、
妖精さんが何か魔法を掛けた時点に戻って、全エピソードの終わりと解釈できます。
つまり、その後、少し社交的になり、腹黒さも身に着けた「
わたし」が、「
巻き毛」との仲を改善し、
Yや
のばら会のメンバーと友情関係を育んで行く部分は、
妖精さんが見せた「未来の記憶」なのでしょう。既に作中で語られていた様に、
妖精さんは時間を自由に出来るので、「
わたし」が選択するべき一つの未来の姿を、夢の中で見せたって事でしょう。当然、
妖精さんのやる事ですから、調和のとれた理想郷ではなく、「
巻き毛」や先輩方が心に闇を抱えた「怖い人」だったのは
妖精さん特有の悪戯な御愛嬌だ。
ただ、ここで新たに生じる疑問は、
妖精さんが見せた夢=未来の記憶が、何処までだったか?という事。もしや、全12話に渡るエピソード、その全てが
妖精さんのみせた夢じゃないのか?、という推論が生れることね。
尚、
のばら会のお茶会で使われていた茶器は、その後「
わたし」が部屋で使ってる(
episode.11冒頭)物と同じ?、と想ったが別物でした。
「
巻き毛」≒
ミザリー?。
「
巻き毛」が、その後どうしているかは、気になるところですが、この手のブラック展開だと、彼女が再登場するのは、それこそ「
巻き毛」の訃報が「
わたし」に届いて……な顛末になりそうだ。「
わたし」に関わる遺品が出て来て、
Yと一緒に、それを確かめに彼女の最期の任地へ旅して、卒業後に「
巻き毛」がどうしていたかを明かすエピソードっても、観てみたい気もする。
http://www.maql.co.jp/special/jintai/

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