マンガ「
サイボーグ009」の入門編、解説番組としては、かなり上出来な番組。
特に「
地下帝国ヨミ編」のあらすじ解説は、なかなか優れものでした。昔、読んでいた時の臨場感が、結構、甦ってきましたよ。
「
エッダ編」は、自分も特に好きなエピソード。物語としての完成度、作画力の高さなどの点で、一番、均整の取れた一篇よね。
「
天使編」は、確かに、読んでいて期待が頂点に高まったところで、唐突に梯子を外された終わり方をされてしまい、とても残念だったなぁ〜。
COM版は、再録全集単行本に収録されるまで読んでいなかったのだが、「
神々との闘い編」は、どうも前衛的実験作品の側面が強く、ストーリー的な面白さ、という点では、読んでいての楽しさ(ワクワク感)が、いまいちだった印象が残る。
それで、今回の番組の最大の目玉である「
完結編」のプロット・メモ。
「
完結編(小説版)」は、実は未読。所謂、遺稿となった覚書(メモ)が、どこまで突っ込んだ物なのか、やや眉唾に感じていたのだが、今回の番組で、構成等のかなりな部分が、作者の遺志に基いている事が分かった。
各話のサブタイトルや、決戦方法のプロットまで、故・
石ノ森氏のアイディアが、ちゃんと盛り込まれているらしい事が分かったので、その内に、全巻が揃った段階ででも、通して読んでみよう、という気になりました。
一方、各お偉い先生方のコメントには、特段、目新しい視点はありませんでした。それにしても、最初のお二人が、判で押したように
手塚治虫先生の世界との比較・対比論を語り出したのには、一寸ねぇ〜、あまりにステレオタイプなアプローチでしたよ…。
マイケル・ウスラン氏の映画化計画は、未だ正式に企画も通ってない段階のようで、クランク・インされていないようね。それよりも、丁度、本番組の裏で、彼がプロデュースした「
コンスタンティン」を放送していたのが、何とも皮肉…。
もう少し、若い世代の知識人から見た「
サイボーグ009」評も聞いてみたかったな〜。あと、アニメ化への
石ノ森氏の関りや評価とかも、もう一寸、突っ込んで欲しかったかも。
概ね、ファンには、一見の価値はあった番組でしょうな。

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