先日の日曜日、稽古帰りの都電での事。
この日は少し混んでいた。乗ってから奥へ行こうと人の中をよけながら歩いていると、年のころなら40代後半くらいの女の方が私の前で座席から立って何か言っている。この数年聴力が衰えてきたようで、突然話しかけられた時は特に聞き取りにくい。片手で座席を指しているところを見ると、どうも席を譲ってくださったらしい。生まれて初めてのことで心の準備もなかったので少々おどおど・もたもたしてしまったが、何とか自分を立て直して丁重にお礼を言って座らせてもらった。落ち着いてから、自分が、人からは席を譲ってあげないと、と思わせるように見えているのだという事に初めて気が付いた。(笑)
年齢感覚というのは、自分の意識とまわりに与えている印象の間には、ずれがあるらしい。(笑)
その日は杖を持っていたので、まさかそれが「つえ」に見えたという事はないと思うが。(笑)
見ず知らずの自分を気にかけてくれる人が居る、そんな人に出逢えるのは嬉しいものだ。

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