先日の少年部の稽古前、例によって鬼ごっこをしている一団が居る。
これも例によってその中に入らず、壁際に座っている男の子が居る。
この子は入会して8ヶ月、まだ一度も遊びのなかに入っていない。
どうにも溶け込むのが苦手らしい。
でも後ろ手で壁にもたれてポツンとして眺めているのではなく、胡坐をかいて座っている。一人で居るのが好きだと言わんばかりの風情だ。
それなりに自分の居場所は、見つけた…のではなく“作った”という感じに見える。
そんな時走り回っていた中の一人の男の子が座っている子に
『一緒にやろう』
(少し離れていたので聞こえたわけではなく多分そんな言葉だったのだろう)
と声をかけると、へえ−と思うほどいとも簡単に仲間に入って走りまわった。
声をかけた男の子は、この前前記事の『165.チョイおも会話』に出てきた覚悟の決まらない彼だ。
この子については前にもこんなところを見たことがある。
もともとバリヤ−を感じさせない子なのだろう。上手に声をかけて仲間になれる。
これはなかなかの才能かもしれない。
ちょっといい光景だった。
だがつぎの稽古のとき、誘われたのほうの彼はまた一人で座っていた。
これもまた、なかなか手ごわい。

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