今年も去年に続いて同じところで合宿を実施した。内容も去年とほぼ同じだ。
準備や、実施に関するボリウムは変わらないが、去年のような新鮮さはホンの少し薄れた感じがする。夕食後のレクリエ−ションも去年と同じ物だが、今年の方が準備はほぼ万全だったのに、内容は、なんとなくいまいち感がある。
ちょっと欲張りすぎなのかもしれない。5才から中学3年生までが同じレベルで楽しめるというのは、なかなか難しい事だ。だがこういう時に感じるのは、年長の子が小さな子どもの面倒をよくみる、という事だ。しかもみな自然にそうなる。子どもが集まっている時、見ていて一番安心できる光景かもしれない。そんな子どもの中でちょっとした揉め事があった。
夕食後のスイカ割の順番待ちの列の中で4年生のF子が泣いている。相手は3年生の男の子Yだ。周りの子に事情を聞いてみると、どうもYのブが悪い。列を乱してふざけていたYに注意をしたF子が逆に悪口を言われて泣いてしまったらしい。6年生のYUI子が『悪いのはあんたなんだから謝りなさい』とたしなめたが、Yは指で耳に栓をして聞こうとしない。ただ乱暴な子どもなら、こんな時負けまいとして言い返すところだろうが、Yは攻撃的な性格ではなく人と会話をするのが苦手なのだ。だからこちらの言葉をYの心に届かせるのがとても難しい。本人はどうしていいのか解からないのだろう。F子は一番年上のユッコが面倒を見て、どうにか元気を取り戻させてくれた。
明くる朝みんなで散歩のとき、2人だけになるチャンスを見つけてYに夕べの事に付いて聞いてみた。要領を得ないながらしばらく話してみると、自分の方が悪かったという自覚はあるようだ。『謝れるかい』と聞くと『謝れる』と言う。こうしてYの謝罪をF子も受け入れてくれた。
F子は入会当時、すぐに泣いてしまう子だった。稽古中に誰かと身体が軽くぶつかってもそういう状態だったが、最近はそんな事はすっかりなくなっている。成長したのだ。でも昨日の事は受け止めきれなかったのだろう。自分と人とのつながり方をどんな風に作っていけばいいのか、それは経験する以外で学ぶ方法はないだろう。
いつもはみんな稽古の1時間しか一緒にいない。それを思うと、稽古、遊び、風呂、食事、みんなでやるレクリエ-ション、自由時間、寝る時間、早起き、洗面、散歩…合宿は普段とは比較にならないくらい濃い時間だ。

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