『もらう』ということで思い出した話。
滝野川ではやっていないが、他の幾つかの支部道場の少年部でクリスマスの頃の稽古の時、終わってからケ−キを子ども達に配るというプレゼントがあって、これは子ども達に喜ばれているようだ。滝野川でやらないのは稽古が日曜日の朝で、ケ−キの入手が難しいこと(ケ−キ屋さんがあいてない)。水曜日の稽古は夜だが日曜に比べて稽古に来る子どもの数がやや少なめ(最近は差がなくなってきているが)だという理由による。私自身なんとなくあまり気乗りがしないという事もある。
何年か前ある支部道場の少年部で、ケ−キではなくお菓子の詰め合わせを配った、という話を聞いた。そこの道場には、少年部には珍しく所属道場以外の道場の稽古にも行っている子どもがいて、他の道場でもうケ−キが配られてその何日か後の事だったらしい。で、ある子どもが配られたお菓子を見て、
『なんだ、ケ−キじゃねえのか』
…と、まあ、悪気のない正直な感想だったのだろうが、まさにお見事な直球だ。仕事の帰りに職場から直行でお菓子の入った段ボ−ルを抱えて、子どもの(喜ぶだろうな…という)反応を、多分想像しながら来たであろう少年部の先生としては、さぞかしココロのやわらかいところに、グサッ!と刺さってしまう言葉だっただろう。その気持ちは察するに余りある。(^_^;)
が、なんだか切なさに少し笑ってしまう。こういうのを、『子どもは正直だ』というのだろう。その子は今はもうこの事を忘れてしまっているだろうが、大人になってから『そう言えばあの時あんな事言っちゃったよな・・・』と思い出すことがあるに違いない。私には確信に近い感じでそう思える。成長するってそんな事じゃないんだろうか。
・・・少年部では短時間で簡単に結論の出る事はあまりない。

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