少年部から合気道を始めて、そのまま大人になっても続けていける人は少ない。ほかの習い事や、受験など本人の状況が変る事が多いからだ。最近の子どもは、何やら忙しい子が多い様なのでなおさらだ。もちろん続けている人もいるが難しい事なのだ。
そんな中で、他の支部道場だが、少年部の頃やっていて一度やめて、何年ぶりかで稽古を再開すべく道場にやって来た人が、このところ相次いで3人もいる。事情はそれぞれだが、もう一度合気道をやろう、という気持ちは同じものの様だ。みんな少年部でやっていた頃の面影も残しながら、一般の時間で稽古をするまでに成長している。
その中の一人は、当時もう少年部を卒業して、一般の稽古に来ていた社会人になったばかりの若者で、私も稽古仲間だった。今はもう30代になっている彼は、私とはかなり年齢が離れているのに、幼なじみに久し振りに会ったような懐かしさがあった。道場に帰って来てくれたのが、本当に嬉しかった。
『いつかまた必ずやろうと思って、稽古着はちゃんとしまって あった』という本人の言葉が、合気道に対する彼の気持ちをよく語っている。
いずれ去って行く子もいるであろう、今この道場で稽古をしている子ども達の心には、どんな合気道が育っていくのだろうか。

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