稽古中の子どもの声が小さい。
少年部を見ている大人、みんなが感じていることだ。
合気道は技を行なう時に声を出さない。つまり、気合いをかけない武道なのだ。
武道としてはとても特異なものだろう。気合は、瞬発力を生み出す。それをしないのは、力で解決しない…という考え方が合気道の根底にあるからだろう。そんな事の影響もあるのか、道場で子どもに、大きな声を出させる事が難しい。稽古前に遊んでいる時は、ほとんどの子は声が普通に出ていところを見ると、改まった空気の中で声を出せない、という事らしい。稽古中の挨拶や準備体操の時に声が出ないのは、何だか子ども達の気持ちが、稽古の方を向いていないように見える。全ての子どもが大声で騒ぐとは思っていないが、子どもが大きな声を出さない事が、何か不自然な感じがするのは、大人の思い込みだろうか。
準備体操のリ−ダ−を、毎回一人の子どもを選んで、前に出てやってもらうのだが、はっきり声が出るのは決まった2〜3人だけだ。よく見ていると、声を出さない子が何人かいると、まわりの子はそちらに引きずられるらしい。
再三、大きな声を出すように言っているが、効き目が無い。そこで、ちょっと作戦を変える事にした。毎回の技の稽古が始まる時の『お願いします』の挨拶だけは、声が小さい時はやり直させる。他のところでは、できるだけ注意をしない。…まずはひとつだけやってみよう、という事だ。
今のところ効果があるかどうかは分からないが…。しばらくは、根くらべかな。

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