海上自衛隊のことば(2)  知ったか振りの雑学

海上自衛隊特有の言葉は沢山有りますが、その中でも印象的なものを幾つか紹介します。

オスタップ→
   たらいのこと。英語のウォッシュ・タブから派生したようです。
内舷マッチ→
   雑巾のことですが、私は語源が分かっていません。
サイドパイプ→
   舷門当直海曹、舷門当番(海士)が様々な合図のために吹くパイプ。結構難しい場合が有ります。
煙草盆→
   灰皿、読んで字の如くですね。
カンカン虫→
   自艦修理の際、舷側等の塗装の弱くなった箇所をハンマーやスクレーパーで剥がす作業。本来塗装作業は第1分隊の運用科の仕事なのですが、分隊に関係無く若手全員が派出されます。
衛生係→
   便所の整備を担当する係。主に初任海士が担当。整備とは言っても殆ど掃除が仕事の様なものでした。
公用士→
   艦が港に入っていても乗組員は勤務中勝手に上陸できません。そこでこの公用士が代理で銀行や役所に行ったりします。各艦は艦名の入った自転車を装備しており、それで町に繰り出します。
右舷、左舷→
   普通は「うげん」、「さげん」と読みますが、海上自衛隊では「みぎげん」、「ひだりげん」と読みます。
半舷上陸→
   乗組員は予め右舷左舷と決められており、よその港に入った際入港時間が短い時に、右舷何時何分から何時間、左舷何時何分から何時間といって許可される上陸のこと。
宜候(ようそろう)→
   宜しい或いは了解といった意味のことば。海軍時代は航空部隊でも使われていた様ですが、現在は殆ど艦橋のみとなりました(私の勤務したCIC=戦闘情報中枢では主に英語の用語が使われています、Ragerがその代表。)。
特殊な時刻の呼び方→
   例えば午前8時の場合0800と書きますが読み方は「まるやまるまる」です。午後5時23分は1723で「ひとななふたさん」です。
10秒前、、、よーい、てー!→
   処作動の開始時間10秒前で最初の号令が掛かり、概ね2秒前で「よーい」が、時刻と共に「てー!」と掛かります。「よーい」、「てー!」は学校等の体育でも良く使われます。
教練○○→
   訓練時、実戦ではないことを明確にするために必ず号令の前に付します。例えば「教練、対空戦闘!」
撃ち方始め→
   砲やミサイル、魚雷を発射する際の号令。小銃や拳銃でも使います。この号令の前に引き金を引くと後ろから鉄拳が飛んで来ます。
用具収め→
   作業終了時、状況終了時等その配置を解く時に掛かることば。
甲板掃除→
   海上自衛隊では艦艇の上でなくとも、つまり航空部隊でも学校等でも、通常の掃除は全て甲板掃除と呼びます。
総員起こし→
   起床のこと。
課業時間→
   通常午前8時から12時、午後1時から5時までの一般で言う勤務時間内。
別科→
   特に教育隊や学校で使われることば。通常の課業終了後に行う訓練。結索(ロープワーク)や手旗の場合も有りますが、専ら水泳や基礎体力作りに充てられます。個人の判断でやるやらないを決めることになっていると思うのですが、暗黙の強制作業で、やらない人間は誰も居ません。
援護室→
   退官する自衛官や技官、事務官の再就職を支援するのが主な仕事。近頃は就職先が少なく、非常に辛い任務だと思います。

思いつくままに書きましたが、とても書き切れるものではありませんのでこの辺で止めておきます(用語集だけで500ページ位の本ができます。)。


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2020/6/26  9:21

投稿者:ななし

10年ほど前の記事に今更で申し訳ないのですが、他所でこの記事をソースとしてる情報があまりにも多いので指摘させていただきます。

>右舷、左舷→
>普通は「うげん」、「さげん」と読みますが、海上自衛隊では「みぎげん」、「ひだりげん」と読みます。

よほど格式ばった状況じゃない限り現代の海上自衛隊でも右舷、左舷を「うげん」、「さげん」と読んでいます。
不審船事件やレーダー照射事件の公開されている映像でも現場レベルではもはや「みぎげん」、「ひだりげん」は口頭では一切使われていないのが確認できます。

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