政権交代を狙う民主党は「霞ヶ関の解体・再編と地域主権の確立」と題した地方分権案をまとめた。
最終的には行政は国と全国300程度の基礎的自治体で構成し役割分担を明確にし効率的な行政を目指すとしているが、当面は国の役割を大幅に限定した上で市町村を700〜800程度に集約し、一定規模の市には大幅に権限を付与するとともにその能力がない市町村にあっては県や広域自治体でカバーするというものだ。
しかし、分権すれば行政の無駄遣いはなくなるのかといえば、そんなに単純なものではない。
実際、今日発表された静岡県と島田市による、
富士山静岡空港周辺でのイベント開催のための「多目的産業展示施設」建設計画、わざわざ知事の石川嘉延と島田市長の桜井勝郎が同席し記者会見で発表するなど、世論の無駄遣い批判やそれを放置しての増税批判をあざ笑うかのようなものである。
展示場の規模は静岡市のツインメッセ静岡を上回る県内最大規模で土地は島田市が用意するが建設は県が行い4〜6年後の完成を目指すというからさらにあきれる。
建設費も無駄だが、毎年続く金利負担や維持管理費の方が問題は深刻だ。
建設が県なので維持管理費は市民だけでなく県民、そしてそれら県市には国の一般会計からも補填されている交付税も入っており結局は広く国民が負担するということになるのだろう。(しかも、貯金に相当する基金があるわけではないので将来世代への負担転嫁となる借金だ。)
やはりグランシップのように役人の天下り団体を作った上で管理させ毎年10億円以上かけて維持管理していくのだろうか。
そのような中、内閣府は「行政のムダ遣いの実態や問題解決に向けて、ご意見・情報を!」として、「ムダ・ゼロ110番」を開設した。
ムダ・ゼロ110番
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tenken/index.html
地方行政で国のお金が全く入っていない行政というのはほとんどない。
国から地方に行くお金をこのように無駄遣いされる現状では分権も何もあったものではないだろう。
無駄な空港建設がさらなる無駄を生むという無駄の連鎖。
ムダ・ゼロへの取組、福田内閣限りとならないことを願いたい。