静岡空港の西側斜面の杜撰な立木の収用もれ問題に関して知事は今日の定例会見で1年前にはこのことを知っていたことをようやく明かした。
しかし、にもかかわらず今に至るも無策なのは彼の危機管理の無能である。
ただ、会見では、来年3月の開港には支障のないようにするといいながら、強制収用も選択肢の一つと答えるなど強気の姿勢は相変わらず。
現状で彼らにとって最良の選択は正確な測量を行った上で2500m未満での短縮滑走路での開港だということは以前このブログでも述べたところであるが、その後収用に臨むという士気低下を最小限とするための言い訳を今から用意しているのだろう。
だが、収用の根拠となった需要予測はいまや化けの皮がはがれ、中でも2500m滑走路の根拠となった大型機就航基準の50万人需要という新千歳路線は常時満席であっても半分にも満たない。実質は13〜4万人程度がいいところだ。
しかも2便のいずれも小型機で2500mは不要だ。
2500mが必要不可欠とする事業認定申請の理由はどうするのだろう。
さらに、最悪なのは国土交通大臣が節操なく収用を認めた公明党の大臣ではなくなっていることだ。
折しも景気の悪化で本年度の県税税収は139億円も予算に満たない見込みで、これを交付税から73億補てんした上で66億円は借金で賄うという。
また、国税庁の民間統計実態調査では給与格差が5年間で年収200万円以下が21%増加し1000万円超が7%増という形で広がり、静岡県は一人当たりの県民所得は全国第3位とはいうもののこれは企業収益を合算したもので生活実感と無縁なのは当たり前で、一人当たりの県民雇用者報酬(=賃金・俸給、雇主の社会負担の計)の全国順位では21位でしかないという企業優位雇用者劣位の県である。
そこへ企業の収益のためにと空港を作り、さらなる展示用ハコ物を作ってのイベントを計画。
福祉や医療そっちのけで観光旅行者の交通費を税金で補助するというのも常軌を逸している。
こんな中でも将軍様の移行には逆らえず蚊帳の外状態なのが本県の県議会。実はこれが一番の無駄なのかもしれない。