第5回 室町時代の船

(物資の輸送だけでなく、兵を輸送するのにも、船は利用された。)
前回、和船の構造で説明した通りに、室町時代は和船の発展において、激的な技術の転換期でも考えられる。
古代から刳り舟の技術の延長線上でしかなかったが、しかし、人間が活動するための流通量が増大することによって、刳り舟の大きさには限界があった。そこで大量に荷物を輸送するために船が大型化するために木と木を繋ぎ合わせる、構造船に変化していった。このタイプの船は海運の主力で少しの擬装の変更で、中国との貿易船゛遣明船゛としても利用された。

軍船仕様の室町時代の船を想像して描いた絵で、矢倉などが見れる。1336年(建武3年)の湊川の戦い頃に使用されていた船は、このような姿が想像されている。これらの船が発展して、安宅船や関船等になっていったと考えられる。
参考文献
世界文化社 復元日本大観 4 「船」
著者 石井 謙治/石渡 幸二/安達 裕之
次回7月15日 第6回は遣明船を予定しています。

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