怒濤のように毎日が過ぎていく中、ブーが「プロムのために、髪をアップにしてもらいに行く」と言うので、「一週間も前から髪型を準備するの?」などと間抜けな答えをした私に娘は心底あきれ果てていました。そう。プロムは一週間先だと、何故か思いこんでいたのですが、なんと
今日だったのです。近頃、自分の予定を把握するだけでアップアップしている私なので、どうしても子どもたちそれぞれの予定が頭に入ってきません。
とはいえ、コトはプロムです。高校生活最後の大イベント、大人への仲間入り。卒業前のダンスパーティです。Promとは…詳しくはコチラ(
Wikiさんに聞いてみよう)…と言っても所詮外国人の我々には今ひとつピンと来ないんですが、少なくとも、着飾って出かけるホームカミングやら、他のマイナーなダンスパーティとは違う、シニア(4年生)の社交界デビュー。この日限り(かもしれない)のデートの相手に誘われて、ディナーや写真撮影の予定を立て、ダンスパーティを楽しみ、その後、学校で開催されるアフター・プロムというパーティで一晩中遊ぶんです。
ブーは、この日のために1月頃から、自作のドレスを準備していました。「この日のため」とは言え、決まった彼氏がいるわけでもなく、ダンスに燃えているわけでもなく、実はクラフトショップの主催する自作のプロム・ドレス・コンテストに応募して
賞金の1000ドルをgetするためだった、というのが本当のところだったりするのですが。
ともあれ、セールを狙って布を買い、飾りのための細かいビーズやらスパンコールやらをそろえて、デザインを考え、図面(とは言わないか。なんだっけ?)を引いて、ゼロから作り上げたドレスです。
この数ヶ月間、ブーの部屋のドアには「立ち入り禁止!針を踏んでも責任取れません!」という張り紙が張られ、実際、部屋の中だけではなく、ブーの服やら何やらについてきたらしい針やピンやらが家中に散乱、カーペットは糸くずだらけになり、危ないやらキタナイやらで大変だったのですよ。
しかしがんばったよねー。

こんなのができあがりました!!
ぞーきん一枚、いや、トウシューズのヒモ一本付けられないお母さんからよく、こんな娘が生まれたものです。でもブーは3歳の時にはちょうちょ結びが出来たし、幼稚園の頃には、針と糸を使って遊んでいました。きっと本当にこういうことが好きなんでしょう。好きこそものの上手なれ、とはよく言ったものです。
プロム・デートの相手と、
何故かみんな色が揃っていますが、これはもちろん偶然などではなく、
男の子は、女の子のドレスの色に合わせて自分のタキシードのコーディネートをしなくてはならないのです。
そして、男の子は、女の子が手首に付ける花もドレスの色を考えて彼女に映えるよう、
自分で花屋さんに注文しなくてはいけません。
なんて難関なんだ!こうして、男の子たちは、年若い頃から徹底して
女尊男卑 レディーファーストをたたき込まれるわけです。本格的なエスコートの作法もダンスもこうして身につけていくわけですね。アメリカで男の子をやっていくのは大変です。。。

男の子たちが選んでくれたお花です。逆に男の子が胸に着ける花は女の子が選びます。

ブーの場合はこれも自分で手作りしました。
プロム当日、女の子たちは、朝からヘアスタイリストのところへ。その後、誰かのうちへ集まって簡単に飲食しながら写真撮影会。あいにくのお天気だったのですが、近くのゴルフ場のパティオをお借りしてなかなか良い雰囲気の写真が撮れました。
面白かったのは、シニア達本人よりも、親の方が完全に興奮気味だったこと。自分たちの当時を思い出すのか大はしゃぎで、写真の並び順に注文を付けたり、子どもたち(と呼ぶには大きいなぁ)の服を直したり、エスコートの仕方を指導したり……男の子達がそれぞれ女の子に花を渡す場面では、さながら芸能人の婚約記者会見か!?と思うほどフラッシュの嵐。いや〜、楽しいわ。
こういう文化にまったく馴染みのない我々は、ただただぽかーんと見守るだけでした。そしたら、一緒に行ったアメリカ人の友人が私に「泣く?」って尋ねるんですよ。なんで!?聞けば、こちらでは、こういった場面でお母さんが「娘がこんなに大きくなって、ヨヨヨヨヨ…」と涙ぐむのがスタンダードだとか。(ほんと?)「これは、将来の結婚式の予行練習みたいなものだよ」なるほど!でも、それだったら日本は逆ですよ。泣くのはお父さんの方よ!って教えてあげたら驚いてました。映画なんかでは、けっこう、アメリカのお父さんも泣いてますよね。
写真撮影会の後は、いよいよ、子どもたちはプロムの会場へ。

こ〜んな本格的なホールのボールルームでのダンスパーティです
ここで夜中まで楽しんだ後、今度は普段着に着替えてハイスクールへ移動し、朝まで「アフター・プロム」の時間。これは高校3年生(ジュニア)と4年生(卒業生のシニア)だけに参加が許されるお楽しみパーティで、学校をあげて、それはそれはものすごい飾り付けとアトラクションで盛り上がるのです。なんでも、かつて、プロムの後は、高校生が羽目を外しすぎて良からぬコトになりがちだった、とか。それで学校側は、どうせなら、その翌朝まで徹底的に学校が面倒を見て
健全に遊ばせようではないか、と対策を講じたのがこの、アフター・プロムの始まり。
ボランティアの親たちが総力を挙げて作り上げる、アフタープロムのレポートはまた次回に。
こんなに楽しい高校生活、いいなあ、なんてうっかり口走ろうものなら子どもたちから大反撃に遭います。授業中、はもちろん、各3分間しかない休み時間、3つのグループに区切られた昼休み、新しい友達を作るどころか誰かと話をする暇もなく、放課後は有無を言わせずスクールバスに乗せられ、家に帰ればテスト勉強と宿題の山…高校生になってから勉強以外何もしていない!という彼らの高校生活の最後の最後のご褒美がこれなんですって。少しくらい羽目を外したくもなろうってものです。

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