『オブジェクト嗜好度向上計画』
井上 樹 (著)
2003年
翔泳社
☆☆☆☆
月刊「DB Magazine」(翔泳社)上で2002〜2003年にかけて連載されていた記事をまとめた本。タイトルからもう少しコミカルな内容を想像して買ったが、読んでみると案外真面目な本だった。趣味のプログラマ向けというより、何らかのかたちでシステム開発に携わっているプロ(と言うか、「DB Magazine」を毎月読むような人)が対象読者のようだ。
オブジェクト指向プログラミングだけを扱った本ではなく、「オブジェクト指向」を切り口に、その基本概念から、分析・設計、パターンとフレームワーク、開発プロセス、プロジェクト管理までと、幅広い内容を扱っている。逆に言うと、どのテーマについてもあまり実践的な話は展開されていない。
2003年に刊行された本だが、最新動向を紹介する趣旨の本ではないためか、特に古臭さは感じなかった(ただし、「付録」の、プログラミング言語とモデリングツールの紹介はやや古臭く感じた)。本書全体に「オブジェクト指向再入門」的な雰囲気があるので、オブジェクト指向懐疑論者や食わず嫌いの読者が読むと良いのではないかと思う。
厚手の紙を使っているため紙数があるように見えるが、実際は本文200ページ弱しかなく、比較的簡単に読める。
本文195ページ程度。

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