「『人気のあるレストラン』(徳田雄洋(著)・村井宗二(絵))」
コンピュータ・インターネット
『人気のあるレストラン』
徳田 雄洋(著)
村井 宗二(絵)
1990年
岩波書店
☆☆☆
「はじめて出会うコンピュータ科学」シリーズの第8巻にして最終巻(「オペレーティングシステム編」とされている)。英題は"My First Adventures in Computer Science, Vol. 8: A Busy Restaurant."
コンピュータ・サイエンスの基礎を題材とした子供向け絵本シリーズ中の1冊。小学生の兄妹ター君とアキちゃんによる会話を軸に進行していく。巻末に「大人のためのあとがき」(2ページ)あり。
本書では、複数のタスク間のデッドロックやロックアウト、資源の連続領域の確保、解の探索、といった、OSが解決している諸問題が取り上げられている。OSがそれらの問題をどのように解決しているかではなく、どのような問題を解決しているのか、問題そのものにフォーカスしている。
問題の本質を日常生活に見られる現象を例に示しており、コンピュータ上で起こる問題が普遍的な問題の具体例であること、(と言うことは)他の領域での解決策がコンピュータ上での解決策にもなり得ること(また、その逆も真であること)を示唆する内容となっている。「問題の本質を見抜く視線を育てる」という本シリーズのコンセプト(だと勝手に考えているのだが)通りの内容だと思う。
「はじめて出会うコンピュータ科学」シリーズとして他に、
ハードウェア編、
自然言語編、
情報構造編、
コンパイラ編、
図形処理編、
アルゴリズム編、
ネットワーク編が刊行されている。
本文60ページ程度。

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