「『ぱんだだ! 中国・日本パンダ紀行』(大田垣晴子)」
その他
『ぱんだだ! 中国・日本パンダ紀行』
大田垣 晴子(イラスト・文)
2007年
文藝春秋
☆☆☆
中国と日本国内の4カ所の動物園を訪ね歩いた、パンダ紀行記。臥龍中国パンダ保護研究センター(中国四川省)、アドベンチャーワールド(和歌山県)、王子動物園(兵庫県)、上野動物園(東京都)を訪れている。初出は「大熊猫の旅・中国篇」のみ雑誌『CREA』(2006年9月号 文藝春秋)、他は全て描き下ろし。
80ページほどの薄い本だが、その内の50ページほどがパンダ写真(おそらく全て臥龍中国パンダ保護研究センターで撮られたもの)。愛くるしい1歳未満の仔パンダの写真で溢れている。臥龍中国パンダ保護研究センターでは、センターへの入場料の他に研究寄付金として1000元(本書執筆時の為替レートで約1万5千円)を納めることにより、誰でも5分間だけ仔パンダ飼育場に入りパンダに触れること(抱っこしたり…)ができるのだそうだ(本書に掲載されているパンダ写真の多くはその機会を利用して撮影したものだと思われ、至近距離からのどアップ写真が多い)。
残りの30ページはイラストで、動物園の様子やパンダとのご対面の体験記、パンダの生態について簡単に記されている。日本国内の3動物園に関しては、施設についてもパンダ自体についても、イラストのみで写真はない。
コロコロと寝転がって遊んでいる仔パンダの写真に衝撃的に癒される(笑)。4〜5頭の仔パンダが行列してノソノソこちらに向かって歩いてくる姿、舌をペロリと出して悪戯っ子風に笑う姿、サッカーボールを抱えたまま眠ってしまっている姿には、(ベッキーならずとも)卒倒必至。
写真・イラスト主体の本で、文章のみのページはなし。小さく薄い本、それでいてパンダ写真満載の本なので、「本棚の片隅に置いておきたい1冊」になるかもしれない(笑)。
本文80ページ程度。

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