「『リハスタ定番アンプ100%使いこなしガイド』(ギター・マガジン書籍編集部)」
音楽
『リハスタ定番アンプ100%使いこなしガイド』
ギター・マガジン書籍編集部(編)
佐々木 秀尚・渡辺 真(解説・試奏)
2014年
リットーミュージック
☆☆☆
「リットーミュージック・ムック」中の1冊。バンド等の練習のためのリハーサルスタジオに設置されていることの多い定番ギターアンプ19機種、ベースアンプ8機種のセッティング例を掲載したムック(第1章で取り上げられているギターアンプ10機種に関しては、付属CDにそのセッティングでのエレキギターの音声も収録されている)。A5版と判型サイズの小さな小冊子で、ギター・ベースのソフトケースのポケットに入れっ放しにしておいても邪魔にならないサイズ(電子書籍版もあり)。表紙には「126のセッティング・サンプルで欲しい音がいつでも出せる、作れる!」とも。
プロも使うような大きな真空管ギターアンプの「音作り(セッティング)」は意外と難しい。ギターアンプは、家電製品のように「誰でもそこそこ使える」ように作られているワケではなく、「プロが最高の音を出す」ために設計されている。そのため、テキトーにツマミをイジッているだけでは、そのアンプの「最高の音」をなかなか引き出すことができないのだ。本ムックは、リハーサルスタジオやライブハウス等で普段使い慣れていないアンプを急遽使うことになった際に音作りの参考資料として活用されることを意図して編まれている。
全4章構成。第1章では、以下のギターアンプ10機種について、各8ページを用いて、概説、操作手順、セッティング例、注意点がまとめられている。重複した記述も多いが、どこに何が書いてあるのかを探さずに済むので(笑)、急いで(数分で)アンプのセッティングを行わなければならないときには逆に有り難い。第1章で取り上げられているギターアンプについては、それぞれシングルコイルピックアップ搭載のギター(ストラトキャスター)とハンバッキングピックアップ搭載のギター(レスポール)を用いて試奏した音声が付属CDに収録されている(電子書籍版では、音声ファイルをダウンロードすることができる)。
・Roland JC-120
・Marshall JCM2000 DSL
・Fender '65 Twin Reverb
・Marshall JCM900 4100
・Mesa Boogie Dual Rectifier
・Hughes & Kettner TriAmp MK II
・VOX AC30CC2
・Fender Twin Amp '01
・Marshall JVM210H
・ORANGE ROCKERVERB 100 MKII
第2章では、更に以下のギターアンプ9機種について、各2ページずつ概説とセッティング例が掲載されている。
・Marshall JCM800 2203
・Peavey 5150
・Hughes & Kettner STATESMAN DUAL EL34
・Marshall Vintage Modern 2466
・BlackStar Series One 100
・Hughes & Kettner Duotone
・MATCHLESS DC-30
・Fender SUPER-SONIC 100
・Diezel VH4
第3章は箸休め的なコラム。リハーサルスタジオの常識と活用のためのちょっとしたTipsについて触れられている。
第4章では、以下のベースアンプ8機種について、各2ページずつ概説とセッティング例が掲載されている。
・Ampeg SVT-450
・Ampeg SVT-350H
・Ampeg B-2R
・Ampeg SVT-3PRO
・EBS Classic 450
・Hartke HA3500
・Markbass Little Mark Rocker 500
・aguilar AG 500
第4章の最後の8ページでは、「ベースアンプの音作り」に関する考え方の指針が記されている。私自身はベースアンプに関しては全くの無知だったのだが、ベースアンプに関しては「ギタリストの常識」が通用しない面が多く(例えば、紹介されている定番アンプのメーカーは、ギターアンプとベースアンプで全く異なる)、存外面白く読んだ。この8ページに相当する解説がギターアンプに関してもあれば最高だったのだが…、とやや残念に思う。
本文140ページ程度。

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