「『けいおん! highschool』(かきふらい)」
マンガ
『けいおん! highschool』
かきふらい(漫画)
2012年
芳文社
☆☆
「まんがタイムKRコミックス」中の1冊(「KIRARA MENU 709」)。芳文社の漫画雑誌「まんがタイムきららキャラット」に連載されていた、女子高ダラダラ漫画『
けいおん!』(かきふらい 2007〜2010年 芳文社)の続編。「放課後ティータイム」世代が卒業した後の、あずにゃん部長の新生桜高校軽音楽部「わかばガールズ」の1年間を描いている。2011年06月号〜12月号、2012年02月号〜05月号、07月号〜08月号に掲載された13話分に、描き下ろしの1話を加えた全14話分が収録されている。
僕は漫画『けいおん!』に関しては、2010年頃に漫画の単行本(全4巻)を読んでいる(映像作品に関しては、その頃にTVアニメ第1シリーズの第1〜4話をレンタルDVDで視ただけ)。漫画の『けいおん!』本編が終わってしまったときには、主人公たちのバンド「放課後ティータイム」のメンバー5人分の表紙が揃わなかったことを寂しく思っていが、TVアニメ版のリズムはどうにも波長が合わず、その後は追っていなかった。今回続編が出ていることに気付き(と言っても、2012年にはもう出ていたのだが)、懐かしく思いながら手に取った。
『けいおん!』は、連載中に作者がもの凄い勢いで成長を遂げた漫画で(そういう意味では『
はちみつとクローバー』(羽海野チカ 2000〜2006年 集英社)と似ている)、第1巻なんてまさに同人誌レベルのヘタウマ漫画、第3巻辺りでようやく「普通の漫画」になった、という印象がある。本作は、第2巻辺りに戻ってしまったかなぁ、という感じ。「あずにゃんが表紙の単行本を作りたかっただけ!?」とも思う。正直、面白くはなかった。
やはり「放課後ティータイム」は奇跡だったと思うのだ。バンドメンバーの5人に顧問のさわ子先生を加えた主要登場人物のバランスが絶妙だった。「わかばガールズ」のメンバーもそれぞれ個性的なのだが…、まだまだこなれていない印象。もう1年続いたら面白かったのかもしれないけど、3年生卒業してメンバー入れ替わったらまた振り出しに戻るワケだしね…(と言うか考えてみると、現実の学校の部活動もそうなんでしょうね…)。
「放課後ティータイム」は、主人公の唯、ドラムの律っちゃん、顧問のさわちゃんのボケ3人に対して、ベースの澪と下級生のあずにゃんの突っ込み2人、という体制が良かった。本作は、あずにゃんの同級生でバンドメンバーの純、新1年生の奥田さん、さわちゃん先生のボケ3人に対して、突っ込み役があずにゃん1人しかいない。その辺りのバランスが難しかったのかなぁ。
個人的には顧問のさわちゃん(だけ)が面白かったかな。学校の先生から見ると、毎年毎年同じことが繰り返されているんでしょうね、学校生活って。パラレルワールドみたい。人生ってそういうものなのかも(って、そんな哲学的な漫画じゃないけど!?)。
ちなみに、『けいおん!』の続編としては、「放課後ティータイム」の4人のその後の大学生活を描いた『けいおん! college』(かきふらい 2012年 芳文社)も刊行されたようだ。レンタル屋にあったら、そっちも読んでみたい(←結局気に入ってるんじゃん(笑))。
115ページ程度。

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