2010/1/21  22:21

Wicked 〜Defying Gravity深読み(その3)  ミュージカル

16日、19日のつづき。

Elphaba: Glinda, come with me. Think of what we could do - together.

エルファバ:
グリンダ、一緒に来て。考えてみて、私たちが手を組めば、どんなことができるか。

I'm Limited
Together we're unlimited
Together we'll be the greatest team
There's ever been, Glinda,
Dreams the way we planned 'em

私には限界がある
二人一緒なら、限りない力がある
私たちが手を組めば、史上最強のチームになれるのよ、グリンダ!
思い描いた通りに、夢を叶えることができるわ!

Glinda:
If we work in tandem

グリンダ:
私たちが手を組めば...

Both:
There's no fight we cannot win
Just you and I
Defying gravity
With you and I
Defying gravity

二人:
勝てない戦いはない!
あなたと私なら
重力に逆らえる
あなたと一緒なら
重力に逆らうことができる


ずば抜けた魔法の力を持っているけど、世渡り下手で融通が利かず、人に嫌われてしまうエルファバ。実力ではエルファバに劣るけど、美人で要領が良く、理屈抜きで人に好かれるという強みを持っているグリンダ。

<以下、Wicked前半部分ネタバレ>

はっきり言って、ここまでのグリンダは軽薄で無神経なところが目立っていて、それほど頭も良さそうじゃないし、エルファバがどうしてグリンダをこんなに評価しているのか、ちょっと不思議な感じもしたのですが...自分に欠けているところを持っている人だと思ったのでしょうね。単に自分がわが道を行きたいだけなら、一人で行けばいいけど、本気で世の中をひっくり返すつもりなら、実力だけではだめ、人心を掌握するという、生まれつきの力が必要だと。

でも、この二人が一緒に行ったとして、上手くいったかどうかは...うーん、難しいかも。目標が(ほぼ)同じだからといって、やり方が決定的に違う人たちが手を組んだ時って、だいたい長期的にはうまく行かないのですよね。ロベスピエールとダントン、スターリンとトロツキーみたいになっていたかも(笑)。

それでも...グリンダが一瞬、心を動かされて、二人が「私たちが手を組めば、勝てない戦いはない!」と歌うところは、何度聴いても背中がゾクゾクします。

Elphaba:
They'll never bring us down...
Well? Are you coming?

エルファバ:
誰も私たちを引きずり降ろせない...
どうなの?一緒に来る?

Glinda:
I hope you're happy
Now that you're choosing this...

グリンダ:
(悲しげに)あなたが満足ならいいと思うわ。
この道を選ぶのなら...

Elphaba:
You too - I hope it brings you bliss

エルファバ:
あなたもね。あなたの選ぶ道が、喜びをもたらしますように。

Both:
I really hope you get it
And you don't live to regret it
I hope you're happy in the end
I hope you're happy, my friend...

二人:
望みのものを手に入れられるように、心から願っている
あなたが後悔しませんように
最後には、あなたが満足でありますように(I hope you're happy in the end)
あなたが満ち足りていますように、わが友よ...


この歌の最初のところでは皮肉として使われていた「I hope you're happy」(あなたが満足だといいけど!)という言葉が、ここでは心からの願いとして歌われているのが、実に上手い。

このhappyですが...日本語版でどう訳されているかは知らないのですが、「幸せでありますように」と訳すのは、違うと思います。ここでいうhappyは、結果に満足している、という意味で、日本語でいう「幸せ」「幸福」とは、だいぶんニュアンスが違うのです。どちらかと言うと、ある仕事がうまくいってハッピーとか、交渉が上手くいって「よい契約が結べて両社ともハッピー」とか、そういうhappyだと思う。

だからここは、別の道をゆくことにした二人が、お互いの成功、いや、野望の成就を祈っているところなのです。ここも、何度聴いても胸をうたれます。

つづきます。




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