2010/5/4  12:10

【映画感想】シャッター・アイランド ☆☆☆  映画感想 2008年〜

結局、この映画最大の謎は、あの宣伝と前口上は一体何のつもりだったのか?ということなのかな。

子供のころ学習雑誌なんかで見たような「錯覚」の図形や、ヒッチコックの「サイコ」で最初に使われた「結末は話さないで下さい」という注意書きとか、まあ狙いはわかるんだけど、どうにも古めかしい。1950年代を舞台にした話だから、いいのかな古めかしくても。あんな前口上があるから、余計に結末がバレてしまうとも思うけど、そうでなくても今のスレッカラシ観客のほとんどには中盤ぐらいでぴんとくる結末だと思うので、たいして害はないと言えなくもない。

やっぱり演出と演技は一流で、最後までちゃんと楽しんで見られるのだけど。でも、こういう話って、演出・演技が一流だと、かえって何というかすっきりしてしまって怖くない、ということありませんか?(ほら、ホラー漫画だと、絵が下手な方が余計に怖いじゃないですか。)スコセッシの演出はスムースで冴えていて映像も美しくて、M・ナイト・シャマラン映画のようなハッタリやウサン臭さが感じられない。レオナルド・ディカプリオの演技もさすがに一級品で...でも、演技が一級であればあるほど、スリラーとかホラーの味が薄れて、限りなくドラマに近くなってしまうような...

つまり、こういう映画の場合、話の狙いとして、主人公の経験にあまりまともに感情移入するのがいいことかどうか?ってことなんですけどね。

演出も一流、演技も一流、話も(ネタは割れやすいとはいえ)筋が通って良くできている、でもそれがいいことなのかどうか、どうも判断がつかない...非常に感想が書きにくい映画なのでした。

日本語字幕について追記:最後の方の、灯台での精神科医のセリフがちょっと変だと思ったのですが...「(彼女は)うつ病だった」という字幕だったのですが、セリフは(たしか)「she was insane(彼女は正気を失っていた)」と言っていたような。

そもそも彼女は精神科の診療を受けたことがなかったのだから、はっきりした病名がつくのはおかしいのではないかな。だからinsane(正気でない)という、曖昧な言い方の方が正しいのではないかと。(まあ1950年代だから、そのへん今よりいいかげんでもおかしくはないのですがね。)ま、ちょっと気になったのでした。




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