2011/11/28  21:36

NPHにハマってます&「ストレートの役を演じるゲイの俳優」論争について  海外ドラマ:フレンズ他

クリックすると元のサイズで表示します

11/26のエントリーのつづき。

オープンゲイの俳優であるニール・パトリック・ハリスは、「How I Met Your Mother(ママと恋に落ちるまで)」でストレートの男を演じているわけですが、私はこの番組の現物を見るまでは、「ストレートの俳優がゲイ役を演じることも多いのだから、ゲイの俳優がストレート役を演じるのも、まあ今どきフツーだよね」ぐらいにしか思ってなかったわけです。

しかしアレ...バーニー・スティンソンという役は、単に設定がストレートってだけじゃないのよね。「とっても」ヘテロ、何しろ、誰かが止めなければ(いや止めても)、昨夜ナンパした女のオッパイについて延々と語り続けるようなヤツなんで...

でも、愛するにせよ呆れるにせよ(両方なんですが)、バーニーのキャラクターの面白さに引き込まれて、演じている俳優の性的指向がどうかなんて、たいがいは忘れているのですけど。

しかし、これがきっかけでいろいろ考えてみると、これって単に「今どきフツー」で済ませられることじゃないのかなあ、という気がしてきたのです。

アメリカのエンタテインメント業界には昔からゲイの人が多いだろうし、かなり前から特に差別もなく普通に働いていると思いますが、それは裏方のスタッフの話で、カメラの前に立つ人々...特に俳優は、ごく最近になるまでカムアウトする人は少なかった。それは「ゲイであるという『イメージ』がつくと、オファーされる役柄が限定される」という懸念からなのだと思います。

それでも、ここ5年ぐらいは俳優にもカムアウトする人は増えてきて、そういう懸念も過去のものになりつつあるのかな、と認識していたのですが...まだまだそういう問題はなくなったわけじゃないのだと改めて感じたのが昨年4月、自らもゲイであるRamin Setoodehをいう記者が「ニューズウィーク」誌に、「ゲイの俳優はストレート役を演じられない」という趣旨の記事を書いたことをきっかけに起こった論争でした。

Wiki ニューズウィーク「ゲイ俳優」論争

元記事

この記事でSetoodeh氏は、ブロードウェイの「Promises, Promises」というロマンティック・コメディ・ミュージカルで主役を演じていたショーン・ヘイズ(「ウィル&グレース」)と、「Glee」でレイチェルの恋人ジェシーを演じたジョナサン・グロフを例に挙げて(二人ともオープンゲイ)、恋人役の女優とラブシーンを演じる二人の演技が「何かを隠しているようでぎこちなく、まったく説得力がない」とけなし、「オープンゲイの俳優がストレートの役を説得力をもって演じることはできない」と結論付けています。

もちろん、この記事に対しては、ショーン・ヘイズの相手役クリスティン・チェノウズ、「Glee」のプロデューサーのライアン・マーフィー、GLAAD(中傷と闘うゲイ・レズビアン連盟)をはじめ、各方面から轟々たる反対意見が巻き起こりました。その怒涛のような反対意見の波を読んでいると、むしろ世の中(少なくとも、アメリカのエンタテインメント業界)は、Setoodeh氏の感覚よりはずっと進んでいる...あるいは、彼の主張には反する方向へ断固たる決意を持って「進もうとしている」、という強い印象を受けたのですが。

そもそも、ニューズウィーク記事の結びが「もし仮にジョージ・クルーニーがゲイだとカムアウトしたとして、今までのようにストレートの主演俳優(leading man)として受け入れられるだろうか?」という疑問だってことからして語るに落ちていて、つまり問題は俳優自身が「演じられるか」ということじゃなく、俳優がゲイだと知ることによって観客側に生じる先入観なのだということはSetoodeh氏も認めているのだな。

「そういう先入観があることが問題だ」と言うのと、「そういう先入観があるんだからゲイの俳優はストレートを演じられない」と言うのは大違いで、論調が前者だったら非難轟々になることもなかったと思うのですが。

でもどっちにしても、そういう先入観をなくしてゆく方法はカムアウトしないことじゃなくて、逆にオープンにした上でどんどんストレートの役を演じて前例を作り、観客を慣らしてゆくことなのではないかと...もちろん最初は難しいし、その「先駆者」になるのは勇気のいることですがね。

で、ニール・パトリック・ハリスに話を戻すと...

この記事が出たのは2010年、「How I Met Your Mother」は第5シーズンの終盤、すでに人気も高く、キャラもおなじみになっていたので、「ゲイの俳優はストレートを演じられない」なんて言ったら、「えー、じゃあこの番組のNPHは?」という突っ込みは必ず出てきたはずです。だからなのか、Setoodeh氏は「ニール・パトリック・ハリスやポーシャ・デ・ロッシ(エレン・デジェネレスのパートナーで同性愛者の女優)はテレビでストレートの役を演じているが、彼らの役は『カリカチュア』であってリアルなキャラクターではない(ので、数に入らない)」と書いています。

カリカチュア。たしかに、バーニー・スティンソンはコメディ的に誇張されたキャラだし、ヘテロ男性の悪いところを面白おかしくカリカチュアライズしている人物像であるのは確かなのですが...

でも、それだけじゃないのよね。

(つづく)




※投稿されたコメントは管理人の承認後反映されます。

コメントを書く


名前
メールアドレス
コメント本文(1000文字まで)
URL




teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ