2007/7/18  20:08

デッド・ゾーン #3-4「赤裸々な真実」〜真実と向き合う時  海外ドラマ:デッドゾーン

原題:Cold Hard Truth 冷酷な真実

このエピソードはアンソニー・マイケル・ホールの監督作。テレビシリーズも長くなってくると、監督志望の俳優にエピソードを監督させることがよくあります。いきなり長編映画をやるより、テレビドラマの1エピソードというのはよい練習台になるから。「デッド・ゾーン」ではこれの他に、ウォルト役のクリス・ブルーノとブルース役のジョン・L・アダムスが第5シーズンで1話づつ監督しています。

このエピソードは、私のお気に入りのひとつです。ちなみに、第5シーズンでクリス・ブルーノが監督した"Independence Day"は、私の第5シーズン最愛エピソードだったりする。彼らがけっこう優秀な監督なのか…それとも、特に脚本の良い回をまわしてあげているのか。

クリスの監督作は、自分(ウォルト)が出てこないエピソードなので、彼は監督に専念していましたが、この番組でジョニーが出ないってわけにはゆかないので、AMHは出ずっぱりの監督主演をこなしています。自分を監督するってのも大変そうだけどね。

さて、第2シーズンラストから第3シーズン3話まで、疾風怒濤というか、いろいろ大変な話が続きましたが…このエピソードはようやくほっとするような、私の好きな人情噺系。いや、これはこれで大変なのですけどね、本人たちにとっては。

「赤裸々な真実(Cold Hard Truth)」とは、バンゴア(クリーブズ・ミルズの近くの街)のローカルラジオ局の、ジャック・ジェリコという毒舌DJの番組名。こういう、わざと人を怒らせることを売りにしているようなDJのことを「ショック・ジョック(shock jock)」と呼ぶらしい。テリー・ギリアムの映画「フィッシャー・キング」(<傑作!)のジェフ・ブリッジスを思い出したりしますが…バンゴアみたいな田舎にまでいるのね、こういう人。

<以下、第3シーズン4話までネタバレ>

このDJ、ジョニーが殺人容疑で逮捕されて以来、彼をやたらにネタにしているようです。ま、そりゃ、ネタにするよなあ。むしろ、それ以前からネタにしてなかったのが驚きですわ。この近辺で、彼ほどネタにして楽しい人が他にいるとも思えんし。

よせばいいのに気になって、彼の番組を聴いているジョニー。ジェリコがウォルトのことを「ジョニー・スミスなしでは事件を解決できない」と言ったり、あまつさえ「ジョニーはいろんな意味ですでに保安官の仕事を代行しているみたい(保安官の美人の奥さんを見たかい?)」なんて、露骨なことを言い始めるに及んで、ついにラジオ局に抗議しに行くのですが…

本人が直接抗議に来たことで、かえって喜ばせてしまうのは予想通り。で、つきつけられたマイクに触れたとたん、ジェリコが誰かにビルから突き落とされるヴィジョンが見えてしまう。

殺されるのをほっとくわけにもゆかないので、ジョニーはなんとか警告しようとするのですが…番組の電波が届くところ敵だらけのジェリコ。あっちでどつかれ、こっちで突き飛ばされする彼について歩くうち、抗議するはずが、いつの間にやらなぜか面倒を見る羽目になってる、とことんお人好しのジョニー。…とまあ、これも予想通り。

行く先々で「お友達は脳震盪を起こしています」とか「君の友達はどうしてここにいるんだ?」とか言われる度に、ジョニーがいちいち律儀に「言っとくけど、友達じゃないから」と否定するあたりが、いいなあいかにもアメリカ映画ぽくて。

でも、このジェリコっていうDJ、私は最初からどこか憎めないものを感じていたのですよね。毒舌を振りまいているけれど、あまり高みから見下ろしている感じはなく、どちらかというと自分の弱さをべた一面にさらけ出している感じがして…それがラジオ番組に表れているかどうかは分からないのですが。

まあ、「赤裸々な真実」を指摘するのを売りにしているだけに、観察力は鋭いところもあるようです。ジョニーには「人のお節介ばかり焼いているのは、孤独な自分自身と向き合うのが怖いからだろう」とか言ってましたが…言ってしまえば、多分それ、ある意味当たってる。でも、もひとつ言ってしまえば、それがジョニーの魅力なのだけど。

このエピソードには、ジェリコの件の他にもうひとつストーリーラインがあります。それはJJのことなのですが…この二つのストーリーが、実にうまく絡んでいるのが、このエピの良い点のひとつ。

ウォルトとサラがこのエピソードの時点で別居しているのかどうか、どうもはっきりしないのですが…シーズンプレミアでウォルトがジョニーを逮捕して以来、夫婦仲は微妙に上手くいってないみたい。JJもそのへんは感じ取っているらしく、悩み多き8歳なのです。

学校でケンカして両親が(なぜかジョニーまで)呼び出されることになり、どうもそのケンカの原因というのが、ジェリコのラジオ番組を聴いた友達にからかわれたことらしい。このままでは、ジョニーが実の父だってことまで、親がちゃんと言う前に友達やラジオから聞いてしまうかもしれない。「JJが十分理解できる年になったら、みんなの心の準備ができたら」なんて、のんびり先延ばしにしてはいられないことを悟るJJの親トリオ。

JJのケンカで3人が学校に呼び出されるところで、JJとジョニーが並んで座って、まるでソックリの仕草で貧乏ゆすりしているシーンがあって、やっぱり親子だなあと思わせるのですが…私は逆に、JJがケンカの傷を指摘されて、ナマイキに「相手はもっと重傷さ!」(You should see the other guy.=ケンカ傷を指摘された時の決まり文句)とか言っているのを聞いて、やっぱりウォルトの子供だな〜と思ったのでした。

その後、JJがいなくなって「家出か?」とみんなで焦ったり、ジェリコが自殺騒ぎを起こしたりと、いろいろあるのですが…最終的には、ジェリコと親トリオは、「どんなに厳しい冷酷な真実でも、いつかはちゃんと向き合わなければならない」ということを、お互いから教えられることになるのでした。

(「真実とは向き合わなければならない」というのは、アメリカ映画の普遍的三大テーマのひとつだと思っています。あとの二つは「自分の行動は自分で決めなければならない」と、第3シーズンまでのテーマソングがくり返し歌っているように、「自分が自分であることを恥じてはならない。」)

そして、ついに覚悟を決め、ジョニーがJJの実の父(biological father)だということをJJに告げる親トリオ。8歳って、早すぎる感じもするけど、現実は待ってくれないのね。ところで、biological father(直訳:生物学上の父親)という表現って、アメリカでは8歳の子でもすぐ分かるぐらい一般的なのですね。

向き合ってみれば真実とは、いつもいつも冷酷なばかりとは限らない。そして、その場にいたスタッフ全員がもらい泣きしたという、感動のラストシーン。うーん、JJはいい子だ。こんなにいい子に育ったのはウォルトのおかげで、ジョニーはラッキーだよなあ(涙)。




2007/7/18  22:12

投稿者:Kumiko

わー、わにさん!お懐かしや、何年ぶりでしょうか。ご帰国なさったのですね。
ブログを始められたらぜひご連絡下さい。遊びにゆかせてもらいますね。

2007/7/18  20:52

投稿者:わに

めるさん、わにです。帰国中で一生懸命日本語のホームページをのぞいているところです。めるさんも健在でうれしい!これからゆっくり読ませていただきますね。わたしも、日記を書き始めたらご連絡します。


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