2007/7/24  22:52

デッド・ゾーン #3-8「話すなら今」〜ずっと聞きたかったこと  海外ドラマ:デッドゾーン

原題:Speak Now 結婚式における司祭の決まり文句の一部。「このふたりの結婚に異議のある者は今すぐ申し出よ(speak now)、さもなくば永遠に沈黙せよ。」

久々のラブストーリー編。わあい。

テレビドラマの脚本は、複数の脚本家とプロデューサーが議論しながら共同作業で書いてゆくそうですが、脚本家による音声解説によると、この回の議論では、特にみんなアツくなってしまったそうです。結婚の話となると、みんな自分の個人的経験を重ねて考えてしまうからなのよね〜。

しかし、「アルマゲドンはどうやって起こるのか?」なんていうことと、「ジョニーはサラにどのぐらい未練があるのか?」なんていうことを、まったく同列に喧々諤々やってるかと思うと楽しいですねえ。

それにしても、いやー、ジョニー−サラ−ウォルトのトライアングルって凄い。汲めども尽きぬネタの泉(笑)。

さて、このエピソードの題名にもなっている結婚式の司祭の台詞というのは、要するに重婚を防ぐためのものです。

花嫁花婿のどちらかが、実は他の男女と結婚している、あるいは「結婚しているも同然」であるなら(<何をもって「同然」と見なすかは、その社会の考え方による)、教会としてはこいつらを結婚させるわけにゆかないから、早く言ってよ。一度神の前で挙げちゃった結婚式は神聖だから、教会としては後で取り消すわけにいかないからね。今言わなかったらここでする結婚を優先させちゃうからね、後で「こっちと婚約してたのに!」とか言っても無効だからね、と念を押しているわけです。

ドラマや映画の中ならともかく、現実にここで異議を唱えた人がいるかどうかは分かりませんが。

そもそも、こういうこと全て元になっている「教会で結婚式を挙げちゃうことの重み」を、非キリスト教徒の人にはなかなか分かってもらえてない気がするのですけど。言っとくけどこれ、それこそ思い切り個人的な経験に…いや、いいです…(<何かあったらしい。)

とにかく、このエピのセリフにもあるように、ひとの結婚式というのは、できれば忘れていたいあんなことやこんなことを思い出させてしまうものですよね。うんうん、経験あるわ〜…

<第3シーズン8話までネタバレ含む>

ウォルトの代理で、サラの友達の結婚式のリハーサル・ディナー(結婚式前日に行う両家の顔合わせパーティ)に出席したジョニー。ところが、なぜかよりによって、自分が結婚式に異議を唱えるヴィジョンが見えてしまう。しかもそのうちに、自分が結婚後の花嫁(マリア)をストーキングしたり、結婚記念日のディナーに酔って乱入するヴィジョンまで見えてしまって…

これから結婚式までのたった24時間で、ジョニーは花嫁に深刻な横恋慕をしてしまうのか?

…と思いきや、このヴィジョンは実は、3年前に死んだはずのマリアの婚約者ブライアンの視点だったことが分かります。

花嫁マリア、花婿アレック、マリアの元婚約者ブライアンは三人とも医者なのですが、「国境なき医師団」みたいなので紛争地域で活動していた時に反政府ゲリラに襲撃され、ブライアンは殺された…と思われていました。しかし、遺品だけが埋められているブライアンの墓にジョニーが触れた時、彼がゲリラに捕らえられたまま今も生きているヴィジョンが見えます。

ジョニーは普段は、ヴィジョンの主体が自分である場合と、他人の視点で見ている場合と、ちゃんと区別できるはずなのですが…この場合ごっちゃになってしまったのは、ブライアンに無意識に感情移入してしまっていたからなのですね。同じ立場の者として…同じ「死んだと思われていた元婚約者」として。

ブライアンを救出しなければならないのは当然として、問題は、結婚式を明日に控えたマリアにそれを告げるべきか?ということ。マリアは婚約者の死をようやく乗り越えて結婚しようとしているところなのに…花婿アレックも乳ガンで妻を失い、マリアに懐いている幼い娘を抱えていて…ようやく親子3人、幸せになろうとしているところなのに。

でも、一般的なアメリカ映画(ドラマ)なら、ここで「元婚約者が生きていることを黙ったまま結婚させてしまう」という選択肢が出てくること自体、ありえないって感じなんですけどね。この間もちょっと書いたけど、真実は知らせる、知った上でどう決断するかは本人次第、というのは、アメリカ映画の基本テーマのひとつみたいなもんですから。

私個人の感覚としても、これは絶対に言うべきでしょう、と思いました。サラが「結婚してしまった後で(ブライアンが生きていることを)言えば、少なくともひとつの決断はもう下してしまっている(ので、悩むことが少なくて楽だろう)」なんて言うのが信じられない。少なくとも私が花嫁だったら、絶対「何ですぐ言ってくれなかったの!」と激怒すると思うけど。

それなのに、ジョニーとサラがやたらに迷ったり、混乱したり、言い争いを始めたりしちゃうのは…状況が自分たちの経験にあまりに似すぎているために、バランスの取れた判断ができていないからでしょうね。ことさらに自分たちに重ねてしまったり、逆に、重ねまいとするあまり極端に走ったり…

ジョニーは本当は、サラとウォルトの結婚式でこそ、立ち上がって異議を唱えたかったのかな。できるなら…

今更何を言っても、もう遅いこと。知らなかったのだから仕方ないこと…そう思って諦めて、考えないようにしていた疑問や感情が、他人のよく似た状況をきっかけにして表面に出てきてしまって…おそらくずっと聞いてみたかった質問を、サラにぶつけてしまうジョニー。「ウォルトとの結婚式の当日に、自分が6年後に昏睡から覚めることを誰かから教えられたら…待っていたか?

ブライアンのことをマリアに告げるべきか、結婚式が終わるまで待つか。ジョニーもサラも、もうマリアとブライアンのことを話しているのか、自分たちのことを話しているのかぐちゃぐちゃ状態で、二人でやたらアツくなってしまっているのですが…でもほら、大事な人を忘れちゃいませんか。

ウォルト:誰もおれには訊かないんだな。おれがアレックの立場だったら、絶対に何もかも知っていたいと思うよ。「I do(誓います)」と言う前にな。

その通りだよなあ。みんな、ウォルトの言うことを聞きたまえ(笑)。

…ウォルトの言うことを聞いたわけじゃないんんですが、最後はみんな理性を取り戻して、みんなが納得する形でハッピーエンドになってよかった。

ラストシーンで、帰国したブライアンがけっこう明るくて、ジョニーの最初のヴィジョンで見えたほどグレないで済みそうな様子なのは…救助が早くなったので腕を失わなくて済んだってこともあるけど、マリアがちゃんと彼を待って、話し合ってから決断してくれたってことが大きかったのじゃないかな。それからもしかしたら、同病相哀れむ相手がいたってことも(笑)。

サラ:あなたの質問に答えてなかったわね。私の結婚式の日に誰かが来て、あなたが6年後に目覚めるって教えてくれていたらどうしたか…
ジョニー:答えなくていいんだよ。(歩み去る)
サラ:…あなたを待っていたわ。(ジョニーにはもう聞こえていない)


せつないのう。





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