2004/9/29  10:10

華氏911  映画感想 〜2007年

たしかに、「ボウリング・フォー・コロンバイン」ほどには「面白く」はないのだが−
たしかに、ムーアの著作「おいブッシュ、世界を返せ」を読んでいれば、新しい情報は何もないのだが−

というか、ムーアは何も「暴露」しているわけではないのだ。ここで語られていることのひとつひとつは、トップ・シークレットでもなんでもなく、特に上手に隠されているわけでもなく、それどころか、使われている素材のほとんどは、公文書だったり、ちゃんとメディアで報道された映像だ。ちゃんと目を開き頭を使っていれば、わかるはずのことなのだ。

なのに、なぜわからないんだ、アメリカ人(…の一部)には!−という苛立ちと。

ひょっとして、本当はわかっているのか?騙されたふりをしてるだけで、実は百も承知で、それでもブッシュを支持しているのか?「戦う大統領」だから、「強いアメリカ」を実感したいから。(大義があろうとなかろうと、戦争しなけりゃ戦勝国にはなれないものね)−という、何とも胃の重くなる、うすら寒い思いと。

おそらく感動の涙を誘うであろう、息子をイラクで失った母親のエピソードも−彼女には心から同情するが、それでも−「自分の息子を失わなければわからなかったのか」と、どこか醒めた目で見ずにはいられない。

正直、この映画を観ても、「ボウリング・フォー・コロンバイン」や「ロジャー&ミー」を観た時のような、知的刺激や楽しさは感じなかった。

でも、それがこの映画なのだと思う。他に描き方はないのだろう。映画として良く出来ているかどうかは(かなり良くできているとは思うが)、この際、あまり関係ない。

アメリカ人は本当に見えていないのか、無意識に目をふさいでいるのか、それとも−考えるのも嫌だけど−見えているのに、それでいいと思っているのか?




※投稿されたコメントは管理人の承認後反映されます。

コメントを書く


名前
メールアドレス
コメント本文(1000文字まで)
URL




teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ