2005/3/31  20:30

エターナル・サンシャイン☆☆☆1/2  映画感想 〜2007年

「気軽に覗くなよ、人の心の深淵を!」…昔読んだ「おそろしくて言えない」というマンガの、妙に可笑しくて印象に残っている一言を思い出してしまいました。

いやー、面白かったです。こういうあり得ない設定のコメディって、「自分ならどうするだろう」と気軽に考えさせてくれるのが楽しいですね。(そう、宣伝の印象とは違って、ロマンティック・コメディなんですねこれ。みんなコメディだと思って観てないから、可笑しいシーンでもクスリともしないのがちょっと寂しかった。)同じ「自分ならどうするだろう」でも、「ソフィーの選択」みたいな映画でそれを考えるのは辛いけど。

まあでも、一番消したい記憶が「ケンカ別れした恋人のこと」で、「思い出したくない恥ずかしい記憶」が…せいぜいあの程度のことなんて、何という幸せな人生だよ、という気もする。野暮を承知で言えば、本当にこういう装置があるなら、PTSDで生きて行くのも困難な人が使うべきだよな。「ソフィーの選択」のソフィーとか…

いや、何で「ソフィーの選択」が出てくるのかというと、あの映画を観たときに「私だったらソフィーと同じ選択をしたかもしれない。そしてその記憶をかかえていたら、やはり生きてはいけないだろう。ソフィーの記憶を消してあげられれば…」と、切実に思ったからです。

そんな深刻なことではありませんが、私にも、さっぱり消したほうがすっきりするであろう記憶は多々あります。でも「幸せな時もあったが結局うまくゆかなかった恋の記憶」なんて、いくら血迷ったって絶対に絶対に消さないなあ。一時的に辛くても、2週間(あるいは半年。個人差あり)もすればいい思い出に変わるに決まってるし。それはある意味、財産だし。いい経験と教訓にもなるし。

でも、経験と教訓を溜め込み過ぎると、同じ失敗を恐れて一歩が踏み出せない、と言うことはあるよね。ネタバレ→【「結局、悪いことは忘れてやりなおす運命の恋人ってことかい」と思いながら観ていたのですが…最後にもう一ひねりあって、「自分たちが運命の恋人などではなく、ただの『お互い好みのタイプなのに相性は悪い男女』であることを悟り、結局また同じ事で苦しむことになる可能性を十分承知しつつ、もう一度やってみることにする」というラストになっていたのがよかったです。「いいよ」という一言に、そう、これを受け入れることが人生よね、と思って、ちょっとうるっときました。

とにかく、観に行って損はないです。これが気に入ったら、ビル・マーレーの「恋はデジャ・ブ」も観てね。やはりあり得ない設定で、「自分ならどうするだろう」と気楽に考えさせてくれるコメディです。「ハリウッド的」というと悪い意味で使う人が多いけど、ほんとはこういう洒落た映画こそ「ハリウッド的」の真髄なんだよな…絶対にどこかで重くなる日本映画やフランス映画にはできない芸当。

最後に、ミもフタもない一言を。記憶を消すことの是非以前に、あんなデリケートそうな施術の最中にマリファナ吸ったりいちゃついたり、抜け出してデートしたり不倫騒動したり、パンティー盗んだり…こんな社員ばっかりの会社、永久脱毛だって頼みたくないよ〜




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