「『Con Alma!』(Prestige)/Charles McPherson」
愛聴盤(JAZZ)
チャールズ・マクファーソン...皆さんご存知でしょうか?
アルバムを紹介しようとしているくせに、私は彼のことを全くと言っていいほど知りません...
彼はアルト奏者です。プレステッジに6〜7枚のリーダ作(このアルバムは確か2枚目)を残した後は、メインストリーム、ザナドゥなどから結構リーダ作を出しているらしいですが、聴いたことはありません...
元々、このアルバムを買ったのも、サイドメンが私好みだったからなので...
リズム隊がいいんです。バリー・ハリス、ジョージ・タッカー、アラン・ドウソン...いい仕事やってくれそうなメンツですよね。
フロントがリーダーのマクファーソンとクリフ・ジョーダンの2管クインテットの編成となっております。
曲名も書いておきます。
A-1 Eronel
A-2 In a Sentimental Mood
A-3 Chasing the Bird
B-1 Con Alma
B-2 I Don't Know
B-3 Dexter Rides Again
モンクの「Eronel」、パーカーの「Chasing the Bird」、ガレスピーの「Con Alma」、デックスの「Dexter Rides Again」等、ビ・バップ期に作られた曲を多く取り上げておりますね。
曲からも想像つくかもしれませんが、このアルバムで演奏されているのはビ・バップそのものです。65年の録音なのに...
モード、フリーがジャズ界を席巻しているこの時期に、ちょっと時代錯誤的な感じがしないでもありませんが、これはこれでいいと思います。だって聴いてて楽しいですもん。
全員ノリノリです。なんやかんや言ったって好きなんですね〜。こういうの...
新しいジャズの方向性を模索しながら作ったストイックなアルバムもたまにはいいですが、そんなんばっかだと疲れちゃいますよね...たまにはこのアルバムのように、なぁ〜んも難しいこと考えずにひたすら楽しめるアルバムも聴かんと...
お気に入りの曲は「Eronel」、モンクの曲ですが、初期の作品だけあって常識的(?)な作りのいい曲だと思います。私のイチ押しです。
「In a Sentimental Mood」もなかなかよろしゅうございます。1曲だけエリントン・ナンバーが入っているのが違和感ありますが、この美しい曲をマクファーソンさんは、ワン・ホーンで切々と歌い上げております。かなり上手いです...彼がノリだけのバッパーではないと言うことを証明する1曲です。
マクファーソンのオリジナル「I Don't Know」も聴かせてくれます。曲自体は何てことないブルースなのですが、スローなテンポに乗った全員の演奏が素晴らしいっす!特にバリー・ハリスさんが光っておりますね。上手いピアニストです...
共演者の中では、アルバム全体を通してアラン・ドウソンがイケてます。上手いです。このドラマー。
一番期待していたジョージ・タッカーさんは、割と地味なプレイに徹しております...もうちょっとはじけて欲しい気もしますが、「Eronel」、「Dexter Rides Again」では入魂のソロを聴かせてくれますので、まぁ納得です。
クリフ・ジョーダンも良い味出してます。ブルーノートのリーダ作より全然イケてるような気がします。
このアルバムのように、ジャケットもあまりパッとしなくて、SJ誌などでも話題にも上らないような地味〜なやつを予備知識なしに買ってきて、恐る恐る針を落とすとご機嫌なジャズが流れてくる...堪りません...
ジャズファン冥利につきますね...これがあるからマイナー盤漁りはやめられない...

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