「『Bags Meets Wes!』(Riverside)/Milt Jackson & Wes Montgomery」
愛聴盤(JAZZ)
ミルト・ジャクソンはやっぱり、MJQよりピンで入れたアルバムの方がいいっす!
MJQの室内楽的で格調高い音作りの中では、彼の強烈なドライヴ感・そこはかとなく漂う黒さがあまり見えてこないので(でも、元々MJQって「ミルト・ジャクソン・カルテット」だったような...)。
もちろん、MJQのミルト・ジャクソンのプレイがつまらんという訳ではありません。ジョン・ルイスのピアノが嫌いなだけかも...
このアルバムのミルトさんは良い!!いや、ミルトさんだけではありません。全員絶好調!!
個人的にはリバーサイドのアルバムの中でも5本の指に入る名盤だと思ってます。
ミルトさんの他には、双頭リーダーを張るウエス・モンゴメリー、リスム隊がウイントン・ケリー、サム・ジョーンズ、フィリー・ジョー・ジョーンズ、録音が61年...駄作になる訳がありませんね。
内容の方も、期待にたがわぬすばらしい出来となっております。捨て曲なしのお買い得盤でございます。やっている曲は以下の通りです。
A-1 S.K.J.
A-2 Stablemates
A-3 Stairway to the Stars
A-4 Blue Roz
B-1 Sam Sack
B-2 Jingles
B-3 Delilah
どの曲も名演揃いですが、悪い癖でどうしてもブルースに注目してしまう私...3曲のブルース(「S.K.J.」、「Blue Roz」、「Sam Sack」)を贔屓目に見てしまいます。
まず「S.K.J.」、ミルトさんの曲です。裏ジャケの解説によると、「S.K.J.」はミルトさんのカミさんのイニシャルだそうです。イントロがメチャメチャ格好いいっす!しょっぱなから名盤の香りがプンプン漂ってきますね〜
先発のソロはウエスさんですが、いきなりオクターブ奏法全開です...ソロ全部をオクターブで弾いております...ちょっとやりすぎではないか?という気がしないでもないですが、すばらしいソロでございます。ミルトさん、ケリーさんのソロも申し分なし!
「Blue Roz」はウエスさんの曲です。これまた裏ジャケ情報によると、リバーサイドのスタッフ(Rozさん?)にちなんで付けられたタイトルだそうです。「S.K.J.」よりブルース臭が強めの演奏となっており、良い感じです。フィリー・ジョーさんのリムショットが妙に印象に残ります。あまりイケてないので...
「Sam Sack」はミルトさんの曲です。このアルバムのベスト・トラックです(私の)。裏ジャケに書いてあったかどうか忘れましたが、間違いなくサム・ジョーンズさんに捧げられた曲です。ベースのイントロに鳥肌が立ちます。格好いいっす。
全員のプレイがキレまくっていて文句の付けようがありませんが、この曲の聴き所はなんと言ってもサムさんのソロで決まりです。とにかく素晴らしいです!!普段は裏方に徹している職人気質のベーシストが、珍しく思いっ切り自己主張してます。このソロは、職人サム・ジョーンズの一世一代ベスト・プレイだと思っております。いやぁ〜、いい演奏を堪能させてもらいました。
なんか、長くなってきたのでこの辺でやめておきますが、取り上げなかった曲もいい出来です。「Stairway to the Stars」のミルトさんのプレイなんか沁みますよ...
このアルバムは音も良いです。いや、このアルバムに限らずこの時期のリバーサイドの音はどれも大好きですね〜。我が家のオーディオとの相性が良いだけなのかもしれませんが、ヴァン・ゲルダーさんのブルーノート盤より私好みの音で鳴ってくれます。
あと、このジャケットも大好きです。ぼんとろさんの、
第1回“ぼんとろ杯”争奪『イカすジャケット・アート大賞』にもエントリーさせて頂いた程ですから...二人の屈託のない笑顔がすごく良いっす...この笑顔がアルバムの充実ぶり物語っております。

0