「『Movin' Along』(Riverside)/Wes Montgomery」
愛聴盤(JAZZ)
私にとってのベストではありませんが、ウエス・モンゴメリーは好きなギタリストの一人です。オクターブ奏法をあまり濫用されるとちょっと引いてしまいますが...
このアルバムは、そんなウエスのアルバムの中でもよく聴くアルバムです。冒頭の画像は、本当の『Movin' Along』のジャケットですが、私が持っているのはマイルストーンから再発された2枚組のアルバム『Movin'』です(下のやつ)...
このアルバムを買った時には、ウエスのことをよく知らなかったので、カップリングの再発物とは気付きませんでした...輸入盤だったし...
家に帰ってレコードを取り出してみると、1枚は『Full House』そのものが入ってました...色々しらべた結果、『Movin' Along』と『Full House』をカップリングしたものであることが判明したのです...我が家の『Full House』が2枚になってしまいました...
気を取り直して『Movin' Along』の話を...このアルバムはメンバーがちょっと変わってます。ジェームス・クレイ(fl、ts)、ビクター・フェルドマン(p)といった私にはあまりなじみのない人達の参加が新鮮です。サム・ジョーンズ(b)、ルイ・ヘイズ(ds)はお馴染みのプレイヤーですが...
オリジナルの曲順は以下の通りです。
A-1 Movin' Along
A-2 Tune-Up
A-3 I Don't Stand a Ghost of a Chance With You
A-4 Sandu
B-1 Body and Soul
B-2 So Do It!
B-3 Says You
私のLPでは、A面2曲目に「Movin' Along」の別テイクが入ってます(A-1がtake5、A-2がtake4)。その関係で「Sandu」がB面ラストにはじき出される格好となっております。
このアルバムのウエスのプレイで真っ先に気付くのが、ベースギターを弾いている所です(全曲ではありません)。実際にどんなギターを使っていたのかが分からないのでこれは私の想像ですが、フェンダーあたりを使っていると思われます。6弦で、ギターより1オクターブ低いやつを弾いているのは確かです。
でも、演奏内容を聴く限り、敢えてこのギターを使う必然性があったようには思えませんね...ちょっと弾き難そうだし(オクターブ奏法も使ってません)...嫌いではないですけど...ウエスさんって、ひょっとして新製品に弱い...?
ジェームス・クレイさんのフルートは非常に気に入ってます。多分、白人だと思いますが、ちょっとバド・シャンクのフルートに似てますね。いい感じです。「So Do It!」ではテナーを吹いていますが...こちらはあまりイケてません。この方はフルートに専念された方が良さそうです...
ビクター・フェルドマンのピアノも好感が持てます。たまにはサラッとしたピアノも良いものです。
どの曲も味がありますが、一番のお気に入りは「Says You」です。全くオクターブ奏法を使わないウエスのプレイが◎です。サム・ジョーンズもいぶし銀のプレイを聴かせてくれますし、ルイ・ヘイズさんのブラッシュ・ワークもなかなかのものでございます。
渋いブルースの「Movin' Along」も捨て難いです。ジェームス・クレイさんがいい感じです。
「Body and Soul」はスローなテーマから一転、アップテンポで吹きまくるクレイさんがカッコいいですね。
クリフォード・ブラウンの「Sandu」は大好きな曲なのですが、普通のギターで弾いてくれたらもっと良かったかも...このアルバムの中では一番雑な演奏に聴こえます...
ウエスのアルバムの中ではちょっと異色の作品かもしれませんが、お勧めです。ちょっと『So Much Guiter』に似てなくもありません。

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