週末に観ました。嫁さんと娘はディズニーの「ライアン...」とかいうやつを観るということで、一人で...
普段はジャズとかへヴィー・メタルとかばっか聴いておりますが、好きなんです...こういうの...キムタク主演で、テレビでもやたらとCMが流れていたので、ひねくれ者の私には多少抵抗がありましたが、原作者の藤沢周平さんが大好きなんです。藤沢さんに限らず、池波正太郎さん、山手樹一郎さんらの時代小説には目がないもので...同じ原作者、同じ監督(山田洋次)の『たそがれ清兵衛』も良かったし...
期待半分、不安半分の映画でしたが、観終わっての感想は...良かったっす!映像にするのが非常に難しいと思われる藤沢ワールドが良く出てました...山田監督、寅さんだけの人じゃなかったんですね。上手い監督だと思います。
公開中の映画なのでネタバレ的なことは書きませんが、自分の役目のつまらなさに愚痴をこぼしたりする、決してヒーローでもなんでもない一人の下級武士が、一分(命を懸けても守らなければならない名誉)を守るために取った決断をめぐる人間ドラマに釘付けになりました。藤沢ワールドが余すところなく表現されております。
物語の本筋とは関係のない、ちょっとしたカットも非常に良く作り込まれております。キムタク扮する主人公が、主君へのお目通りがかない、城の廊下脇の地べたに控えているシーンで、蚊の大群に襲われながら平伏している所を、殿が通りしなに「大儀」とだけ言って通り過ぎるあたり、下級武士の悲哀がよく表現されていると思いました。。。
脇を固める俳優さん達もいい仕事してます。特に笹野高史さんの演技が素晴らしい!!壇れいさんも綺麗だったし、小林稔侍さんもいい味出してます。赤塚真人さんも良かったです。。。
男女平等なんて概念など存在しない時代でもしっかりと息づく夫婦愛、命を懸けてまで一分を守ろうとする侍の生き様に、現代の日本人が物質的な豊かさと引き換えになくしてしまった精神的な豊かさみたいなものを感じました(ベタなテーマではありますが...)。
観終わっても、「金返せ!」的な感情が全く起きない映画でした。日本映画もまだまだ捨てたもんじゃありませんね(しょ〜もないやつも多いですが)。。。DVDでたら買っちゃお。

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