「『Byrd's Eye View』 (Transition):Donald Byrd」
愛聴盤(JAZZ)
3月も終わろうとしているのに、やっと2本目の記事です...
今日のアルバムは、ドナルド・バードさんの初期のリーダ作になります。これもいいっすよ!
今まで紹介しなかったのが不思議なくらい好きなアルバムですね〜。ハード・バップに対して抱いている私のイメージに非常に近いアルバムです。あまり派手さはありませんが...
録音データは以下の通りです。
Donald Byrd (tp),Joe Gordon(tp),Hank Mobley(ts),Horace Silver(p),Doug Watkins (b),Art Blakey(ds)
Rec. Dec. 2, 1955.
A-1 Doug's Blues
A-2 El Sinoa
B-1 Everything Happens To Me
B-2 Hank's Tune
B-3 Hank's Other Tune
ジョー・ゴードンさん以外のメンツは、まんまオリジナルのジャズ・メッセンジャーズですね。確か55年の12月にバードさんはJMのメンバーになっていますので、ひょっとしたらこのアルバムがバードさんのJM入りのきっかけになったのかもしれません。
ジョー・ゴードンさんは全ての曲に参加している訳ではないようです。少なくとも「El Sinoa」では吹いていないと思います。。。普通のLPですと、裏ジャケにライナーが書いてあるので輸入盤でも大体の内容は分かるのですが、トランジション盤は裏ジャケが一色に塗りつぶされているだけなので(本アルバムは青一色です)、何の情報も得ることが出来ません...
そもそも、このアルバムにジョー・ゴードンさんが参加する必然性があまり無いような気もしますが...
捨て曲は1曲もありません。何のストレスもなしに通しで聴くことができる貴重な1枚です。
個人的に好きなのはやっぱり「Doug's Blues」になってしまいます。タイトルからダグ・ワトキンスさんの曲かと思っていましたが、レーベル面の作曲者の所に"Traditional"と書かれていましたので、作曲者不祥の古いブルースなのでしょう。
ベタな入り方ですが、ダグ・ワトキンスさんの粘っこいイントロが大変よろしゅうございます。イントロ聴いただけでこれから始まる曲のコテコテ度が分かってしまいますね。
ブルースのお手本みたいな演奏でございます。何度聴いても飽きません。。。
「El Sinoa」はシルバーさんのバッキングが心地よい曲です。コーラス最後の4小節のフレーズがワンパターンかな?という気がしないでもないですが、まぁ良しとしましょう。マイルスさんの『Bags' Groove』のB面のプレイに近いものがありますね。
「Everything Happens To Me」はこのアルバム唯一のバラードです。バードさんはバラード吹かせても素晴らしいですね。とても23歳の若造のプレイには聴こえません。大したもんです。モブレイさんも上手いですね〜。なかなか聴けないブレイキーさんのブラシも◎です。
残り2曲はモブレイさんのオリジナルです。これぞハード・バップ!いい曲書きます。モブレイさん。
ハード・バップというものが良く分からないとお嘆きのあなた、これがハード・バップです。ぜひお試しください。音はあまり良くありませんが。。。

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