病院へ立寄り、姉と面会したあとは気を利かせて九品仏商店街へ。
某氏邸。
ご本人からも上棟式の模様をお伝えいただいたが、無事に上棟を迎えられた模様。
現場内は上棟式の余韻も感じられる。
さて「木造在来軸組み工法」の構造。上棟というのは屋根の一番テッペンの「棟木(むなぎ)が上げられる」ことを指すが、現在は2階の間取を支える「梁(はり)」をかけている途中の段階。
建物の規模がけっこう大きいので1日では屋根まで進まなかったのだと思う。
しかし「建て方(たてかた)」と呼ばれる上棟作業は木造住宅の工事の中でも一番の大仕事であると同時に墜落・落下など、一番危険を伴う作業でもある。
無理に進めると事故の原因にもなりかねないので慎重な作業が要求される。
さて、地上からみると木造軸組みの一番下の部分にあたるのが基礎の上に並べられている土台。
柱や梁では今まで採用した経験があるが、正直いってアタシは土台に使用されているのは初めて見る「集成材(または積層材)」と呼ばれる木材を数枚、圧力をかけながら特殊な接着剤で固めたもの。
これは、数枚の木材を合わせることによって木材内部の欠陥部分(節など)を相互に補い、圧力をかけて接着することで湿気や経年変化による変形・ねじれ・ソリ反り等を防止する効果がある。
その為「加工品」ではあるが、結果的に一般の材木よりも強度が期待できるという長所がある。
一般には土台にはヒノキや米栂(べいつが)などの無垢材が使用される場合が多いが、考え方によってはこの集成材は経年劣化を防止することにもなりそう。
また最近、基礎には「通気口」がなく「基礎パッキン工法」という基礎と土台の間に硬質ゴムを挟みこんで20〜25o程度の空間を作り床下の通期を確保する方法が一般的だが、コチラの建物は5o程度の繊維樹脂?を挟んで基礎と土台に空間を作り通気を確保するようだ
恥ずかしながら、この工法も初めてみる。
但し、その「土台」はアンカーボルトによって基礎のコンクリートとキチンと緊結されているので問題は無し。
長い間、業界でメシを食っていると「セオリー」とか「確率」などと言う言葉に惑わされ「井の中の蛙」になりがち。
他所様の仕事と言うのは勉強になるものだ。

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