これまで本当に多くの方々に支えられ今日まで
続けてまいりましたが、今回をもちまして日記を
終了させて頂く事になりました・・・
ありがとうございました・・・さようなら! ( ・∀・)ノ
・・・ちぇっ、何だよ、こんな終わり方しやがって・・・
最近、やっとこの写真の多さとやたら長ったらしい文章にも
慣れてきたところだったのに、いきなりこんな展開だなんて
それに何より栃木県の端っこに住んでいる僕にとっては
宇都宮や鹿沼、益子など栃木店内は元より隣りの群馬や
茨城、埼玉に加えて雑誌やHPで眺めているしかなかった
東京の気になっていたカフェやパン屋をこれでもかって
くらいに紹介していた数少ないブログだったのに・・・
僕もカメラ片手にブログを始めようかなぁ〜って思っていた
そんな矢先の、いきなりのブログ終了宣言にその理由が
知りたかった僕は、思い切ってブログにコメントを入れた
これが彼のブログでの最初で最後のコメントだったが、
後の彼との交流についてはこの時まだ知る由も無かった
数人のコメントが既にあったが皆思いは同じと見え、
僕が書いた後にも同様のコメントが2〜3あったようだ
で、肝心の理由は、単にブログの容量が一杯になった
との事で、まあそれも分からなくも無いがそれなら尚更
新しいブログを立ち上げてURLでも貼り付けて欲しかった
それから数日が過ぎたが、本当に見捨てられたかの様に
それ以来、彼からのインフォメーションは何一つ無かった
僕が知る限り、どんな批判的なコメントにも返事をしていた
彼が、温かい応援や終了を嘆き驚く訪問者のコメントをも
放置したままだなんてあり得ないというか考えられなかった
そんな悶々とした日々を経て、僕は二つの事を確信した
一つは今の僕にとって彼のブログは不可欠な存在で、
どうしても突然の終了宣言の理由が確かめたいという事
もう一つは彼がこれまで訪れた店に実際に行ってみれば
何か有益なヒントが見つかるかも知れないという事・・・
そして僕は店に予約を入れ、出掛ける事にしたのだ!
彼が常日頃から敬愛していた“あの橋のムコウ側”に・・・
田植えの時期から1ヶ月は過ぎたであろう、6月下旬・・・
宇都宮の市街地から車で30分くらいは進んだだろうか?
隣りの町とはいえ中心から外れたこの地域には商店街は
勿論、民家もまばらで視界に入るのは一面の鮮やかな緑
でも、今日僕がどうしても訪れたくて計画していた場所は、
更にこの道を進んで行かなければならなかった・・・
車の往来が辛うじて出来る乾いたアスファルトの農道
その左右を埋め尽くさんばかりに広がる黄緑の稲の穂は
青空に向かって伸び、風に揺られサワサワとなびいていた
そんな農道を進んでいくと、“例の橋”に辿り着く
コチラ側とアチラ側との “分岐点”
土手から続く雑草で覆われた、田舎の小川でよく見かける
コンクリート製のごく普通の小さな橋は、特別気にも留めず
農道の一部分に過ぎないといった程の印象でしか無かった
彼の日記で必ず紹介されていた、“あの橋”を実際に渡った
僕は感激を覚えるどころか、少々拍子抜けしてしまった
彼が散々強調していた“ムコウ側”に通じる分岐点の橋が
これだったのかと思うと、僕はため息交じりに通り過ぎた
どんなロマンチックな光景をこの橋に期待していたのか
今にすれば冷汗三斗も甚だしいのだが“ムコウ側”を
全く体験した事の無い浅はかな若者の身勝手な妄想・・・
そう、橋一つとってもあれだけ色々と書いていたのだから、
と、この時は妙に自己完結させてしまっていた・・・
まだ本当の“ムコウ側”を体験していない僕は・・・
ただ、橋の傍らで咲いていたこれからの時期よく目にする
この園芸植物は、揺らめく黄緑の束を背景に淡い紫色が
梅雨の蒸した道中に一筋の清涼感を与えてくれていた
尤も、この先道端の草花にも注目する様になるのだが・・・
更に進むと道端に印象的なピンク色の花が咲いていた
大きな花弁をだらりと広げた様は酔っぱらった風貌に似て
その名が付いたとの事だけど、これからの夏にぴったりの
色彩や風貌を携えた京都の今は無き幻の寺の名を冠する
一群の花々の中にあって、どこかユーモラスで可愛らしい
この花はここまでずっと感じていた張りつめた緊張感を
心地良く和らげてくれるのに十分だった
目にも鮮やかな薄瑠璃色の紫陽花は中々終わらない
梅雨のうっとおしさを清々しく和らげてくれた
最近、通勤や買い物以外で太陽の下を歩く事の無かった
僕は、いつの間にか時間が経つのも忘れ辺り一帯に咲く
草花を探す事に夢中になっていたようだった・・・
この日、僕を出迎えたのは花だけでは無かった
風切る様に颯爽と現れたかと思うと、此方の存在など
意に介さないとばかりにじっとしている蜻蛉の虚ろな目は、
今の僕の心情を具現化して見せつけられている様で・・・
そして此処にも・・・
この一帯にいる生き物は何処か無防備というか・・・
目に見えない何かに守られているかの様に大らかで・・・
そんな事を考えながら辺りを見回した僕はハッとした
家の前のこの水門、懐かしいだろう?
そう、僕は既にこの水門の前まで来ていたのだ
彼がそうした様に僕も水門の側まで行ってみる事にした
眼下に流れる水の量は、この前彼の日記にUPされた
あの写真の時よりかなり抑えられている様子であったが、
それが果たして僕が訪れた時間によるものか、それとも
稲の生育過程によるものかは定かでは無かった
でも、水面に反射する眩いばかりの白くぼやけた光は、
全く以って彼の、紛れも無く
Cindy’s WALKの写真
そのものであり、僕は遂に此処まで来た事を実感した
そして、鮮やかな黄緑に覆われた水田を背にして、
水門の向こうに見える印象的なアーチ型の建物こそ・・・
natural french cafe mikumari
Cindy、遂に僕も此処までやって来たんだよ!
これまで何度となく君の日記で見てきたこの場所に・・・
駐車場と庭とを隔てている一段高くなった垣根?に
沿う様にモッコウバラや蔓バラが植えられていたが、
僕が訪れた時には殆んどの花が落ちてしまった後だった
それでも辛うじて残っていた淡いピンクの大輪の中には
諦め切れない訪問者が最後の饗宴に酔いしれていた
皆が狙い、牽制し合っているうちに輝きを失ってしまい、
誰からも見向きもされなくなった真っ赤な自然の宝石を
憐れんでいるのか、唯一人だけ添い寝している者がいた
注目される事を知らない者だが優雅な孤独に関しては
ずっと先輩でもある彼と一緒なら寂しさも癒えるかな?
胸いっぱいの期待とちょっぴりの不安を抱いて
初めてCindyがこの店を紹介した際、この木の扉の前で
物語の登場人物にこんなセリフを言わせていたっけ・・・
僕は・・・期待と不安が半々なんだよ・・・
またあの時みたいに君はすぐに戻ってくるのかな?
扉を開け、中に入り、店主に挨拶を済ませた僕は思った
Cindy、君が繰り返し強調してきた通りの方だったよ
本当に穏やかで、その済んだ瞳の奥には優しさと・・・
静かに燃える情熱の両方を湛えた魅力的な方だったよ
君が尊敬し、兄と慕うのが僕にも分かる気がするよ!
店主の温かい厚意により、素晴らしい店内の空間を
他のお客さんがいない今、少々見せて頂ける事になった
錆び付いた僕の情熱を取り戻す為に・・・
そう、メラメラと燃え滾るあのストーブの写真に
君はイーハトーブの気高い理想郷を重ねていたよね
でもこんなツーショットは君の日記にも出てこなかったなぁ
薪ストーブの前に置かれた真っ白なダイニングセットは
家族や親しい友人とのランチにぴったりの大きさだね
でもこのテーブルは意外にも君の日記では見かけない
そう言えば、家族や兄弟、友人との絆をテーマにした
日記が多いのに、出てくるのは決まって一人だった・・・
Cindy、実はこの椅子に座ってみたかったんじゃない?
だってこんなにも可愛らしい愛着を感じる椅子なのだから、
可愛いもの好きな君が放っておく筈は無いと思うのだけど
ちゃんと空けてあるんだ、右はじの椅子は
壁際に括り付けられた一列に並んだテーブル席が
Cindy、確か君が一番のお気に入りにしていたよね
右はじを空けておいたのは、君は黙っていたけど・・・
僕らの秘密基地だったこの屋根裏部屋・・・
銀河鉄道に乗って宇宙の彼方へ旅に出よう
そう、この屋根裏部屋は二人の少年の秘密部屋だった
冒険の計画を練り、ケンカの作戦を立て、恋も打ち明け、
そして、そして少年たちは何時しか大人へと成長する・・・
そんなドキドキワクワクがいっぱい詰まったこの天井裏を
Cindy、君は必ず日記のクライマックスにしていたよね
この窓から見える景色は本当にピュアで、ナチュラルで、
非常に儚く移ろい易いもので、殆んど同じアングルなのに
四季折々で全く違った表情を僕らに見せてくれていたよね
ココなら彼女にもっと優しくなれるよ
とっても不思議なんだけど、この場所に唯いるだけで
本当に優しい気持ちになってくる様な気がするんだ
そして、その自然が生み出す風景はそのまま表の庭へと、
更にはこの建物の中へと繋がって一体となっていく・・・
そんな年間を通した自然からの贈り物を肌で感じる事の
できる、本当に類い稀なこの空間で頂く食事なのだから、
しかもその料理をたった一人で作るのは他でもない・・・
才能と情熱の溢れる若き“アーティスト”
おっと、この表現はCindyの日記じゃない方だったね!
でもCindy、君はこの店の店主を才能溢れる芸術家や
尊敬すべき兄弟になぞらえていたけれど、僕はこの他にも
この空間をトータルに考えた際、此方の店主は“食と住”と
更にもう一つ、大切な役割をも担っていると思っているんだ
だって最初のスープを置く時のさり気無い一言が・・・
先ずこのスープで体をチューニングして下さい
本日のスープ “季節野菜のプロヴァンス風”
確かCindy’s WALKでも店主が身体の事を気遣って
くれているシーンが、度々登場してきたじゃあないか!
単に“食”の事だけでなく、“住”となるこの空間への拘り、
“衣”ならぬ“医”の事まで気を配ってくれるのだから・・・
トマトベースの澄んだ朱色は食欲をそそるのは勿論、
ほんのりと薫り立つトマトの風味がまた格別だよ
しかも、ひと口すする毎にトマト本来の自然な酸味や
スープとしてのコクとまろやかさ、心地の良い温かさが
一つになって体の隅々にジ〜ンと染み渡っていく様で・・・
更に柔らかく煮込まれた人参に玉葱、ズッキーニ、
そして勿論トマトそのものもたっぷりと味わう事ができる
俺の“胃”も臨戦態勢に入るって訳さ!!
君が書いたジョンってキャラクターのセリフだけど、
どうやら僕の“胃”も臨戦態勢に入ってきたようだよ!
僕がスープを飲み干すタイミングを計っていたかの様な
絶妙のタイミングで僕の目の前に運ばれてきたのが、
彼の日記でこれまで幾度となく僕を驚かせ、楽しませ、
そして・・・この上ない感動を与えてくれた一枚の皿
日替りプレート “赤鶏のバルサミコ煮込み”
一枚の真っ白な大皿に描かれているのは肉と野菜が、
そう、素材自体が本来持っている天然の色彩、そして
そのピュアでナチュラルな色彩を引き出す店主の感性
しかも、これまでCindy’s WALKの写真と表現力を
通じて楽しんできた華麗な料理の魅力は視覚だけに
とどまらず、実際テーブルに置かれた料理を目の前に
僕は、温もり、香り、質感など、暫くの間、五感の全てが
刺激され、敏感になっている様にさえ思えたものだ
スープでの体のチューニング・・・
確かにこのシンフォニーの始まりに必要な行為であり、
あのスープによって全神経が研ぎ澄まされていたんだね
一つ一つの感動が津波のように押し寄せて
光と影の中を印象絵画のキャンバスの様に
全ては野菜を美味しく食べるために・・・
大地が描くアート、自然が奏でるシンフォニー
スイーツ好きを虜にした肉と野菜のアート・・・
これまでCindyの日記で表現された賛辞の数々は、
料理の範疇を超えて芸術作品を鑑賞している様だった
でも、実物を目の当たりにした僕には、最早これ等の
形容句が大袈裟には思えなくなっていて・・・
そして、おもむろにフォークとナイフを手に取るや否や、
皿の手前に横たわるボルドー色に輝く肉塊を頬張った
バルサミコと
赤ワイン
濃厚な葡萄の共演は発酵熟成される事によって
産み出される何ともロマンチックな化学変化・・・
まるで熟した果実を凝縮した複雑で濃厚な甘酸っぱさ、
香りと味わいに豊潤な赤ワインの風味が加わり・・・
柔らかい弾力の塊から
滴る肉汁
しっかりした質感が味わえる表面はソースが良く染みて
重厚な肉料理の醍醐味が存分に堪能できるが、同時に
体験できる噛み切る寸前のムニュっとした肉肌の反発
肉の繊維は絶妙の弾力と口の中で柔らかく裂けていき、
迸る肉の旨味がバルサミコの甘酸っぱさや赤ワインの
ふくよかさと共に心地良い満足感へと昇華していく・・・
肉料理と赤ワイン・・・
新鮮さと円熟さ・・・
葡萄と葡萄・・・
酸味と甘味・・・
僕も遂に体験する事ができたよ、Cindy・・・
クレームカラメル
フォンダンショコラ・・・テリーヌフロマージュ・・・
そしてこのクレームカラメル・・・
このmikumariで常時提供されるスイーツは上記の3つ、
決して多いとは言えないが、その一つ一つが専門店をも
凌駕する拘りとクオリティーを誇ると君は伝えていたね
本当に迷ってしまった僕だけど、今回これに決めたのは
メニューにあった“有精卵ときび砂糖のなめらかプリン”の
文字に心躍らされたのも勿論だったけど、このデザートは
他ならぬ彼の選んだ一品だったのも事実なんだよ
このデザートを最後に姿を消してしまう彼の・・・
途中でカラメルを絡めて召し上がって下さい
店主の言葉通り最初の一口はそのままスプーンに掬った
口の中に入れた瞬間ふわっと広がる滋味深い卵の風味、
仄かに漂ってくるクリームの感触、そして優しい甘さと共に
とろけるようななめらかな舌触りが押し寄せてくるなんて・・・
後からほんのりとバニラの香りも広がってきて、
もう夢心地の気分でスプーンを進めていった僕は・・・
慌てて傍にあるカラメルソースを注ぎ入れた!
どろりと煮詰められたほろ苦くも甘い、褐色の蜜
ついさっきまでこれ以外に何もいらないと思っていた、
これで完璧であると思っていたプリンだったのに・・・
Arnoldが最後のカフェで選んだ最後のスイーツ、
クレームカラメルを食べた僕の気持ちは決まっていた
思い切って店主に打ち明け、そして快く応じてくれた
店主に礼を言った僕は名残惜しくもこの空間を後にした
店を出た僕は店の庭先で再び“彼”に出会った
相変わらず此方の存在など意に介してない様子だったが、
その割には僕に気付いて欲しいとばかりにじっとしていた
あの小鳥は遠い彼方へと飛び去ってしまったのだが・・・
当り前だが、実際には一瞬の出来事だったと思う
でもその一瞬がかなり長い時間に、僕は感じた
そして先ほど店主に見せてもらい、写し取ったメモを
ジーンズのポケットから取り出しその場で広げてみた
あの縞馬の写真がモノトーンでプリントされた名刺の裏に
本当に小さな文字で書かれていた一人の人物の名前と・・・
その人物のメールアドレス・・・
もう一度そのメモを畳んでポケットに突っ込んだ僕は、
余程居心地が良いのだろうか、全く飛ぶ気配の無い
蜻蛉に別れを告げ幾分急ぎ足でまた歩き始めた
一刻も待てないといった、でもどこか充実した面持ちを
満面に湛えながら・・・
natural french cafe mikumari
栃木県芳賀郡芳賀町東水沼 1032-12
TEL 028-677-3250
OPEN 11:30〜17:00 (LO16:30)
CLOSE 日曜日・不定休 (詳しくはHPを参照して下さい)
全席禁煙
駐車場 8台
未就学のお子様の来店は14:30以降となります
電話での予約をお勧めします
http://mikumari2006.blog108.fc2.com/
2007年4月より2年弱続きましたCindy’s WALKですが、
写真の容量が一杯になりましたので今回で終了になります
これまで見て頂きまして本当にありがとうございました!!
(・・・で、この日記の1行目に戻る!?・・・)
▽▲お知らせ▼△
今回でCindy日記は終わってしまいますが、
代わりにとっても素敵な新しい日記を紹介します
まなぱぱroom
http://manapaparoom.blog47.fc2.com/
イベントで声をかけて頂きました
まなぱぱさんが
新しくカフェ巡りのブログを始められました!
栃木県近郊の素敵なカフェをとっても可愛らしい写真で
綴る日記に、Cindyもまったりさせて頂いております♪