ただ今、無名塾新人オーディション真っ最中。
帰り道、川村さんと車ん中…
「(僕)あのさぁ…」
「(川村さん)はい?」
「(僕)俺さぁ…」
「(川村さん)えぇ…」
「(僕)最近、年なのかなぁ…」
「(川村さん)どうしたんですか?」
「(僕)涙腺ゆるいんだよね…」
「(川村さん)…」
「(僕)いや、本当…涙もろくてさぁ…最近、映画見てもかなり泣き率高いんだよなぁ…」
「(川村さん)と言いますと…?」
「(僕)昨日、DVDで『ダーリンは外国人』見て、涙ぐんでその後、『ロッキー』見て大泣きですよ…」
「(川村さん)いや、確かに『ロッキー』は泣けますよ…でも『ダーリンは外国人』って泣けますかねぇ?」
「(僕)もう最後、ボロボロのロッキーとアポロがもつれあってさ、アポロがロッキーに『もう、お前とはリターンマッチはやりたくない』って言うじゃん?」
「(川村さん)あれは泣けますよ…でも『ダーリンは外国人』って…」
「(僕)怖くて試合を見れなかったロッキーの恋人のエイドリアンが最後、観客を掻き分け掻き分けリングに上がるやん…」
「(川村さん)はいはい。いいシーンですよね。」
「(僕)エイドリアーン!エイドリアーン!って」
「(川村さん)いや、あれで泣いちゃうのはしょうがないっすよ。でも『ダーリンは外…」
「(僕)やっぱ、年なのかなぁ…」
「(川村さん)うん…年なんでしょうねぇ…。俺なんか、知らないおばちゃんに『はい、これあげるね』って何か貰っただけでもう涙ぐんじゃいますもん。」
「(僕)え!?そんなに?しかも何?そのシチュエーション?」
「(川村さん)今に夜空の星を見上げただけで、すーっと涙がこぼれるようになりますよ。」
「(僕)えぇ!?そんな域にまで達しちゃうの?俺ら!」
「(川村さん)いや!そうなりますよ。」
「(僕)どうしようかな…そのうち『バイオハザード』見ても泣くようになっちゃったら…」

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