出かけようとした。
玄関口を通り過ぎる人影を部屋の中から確認。
扉を開けるとお隣りのおばさんが鍵を開けて自室に入ろうとしている。
生活スタイルが違うのかあまりお隣りさんとは会う機会は少ない。
僕とお隣りさんは同じくドアの前。僕は鍵を閉める。お隣りさんは鍵を開ける。僕は出て行こうとする。お隣りさんは入ろうとする。その時、
「あのぅ…」
とお隣りさんの声。視界的には暗くなりかけた距離からお隣りさんが近づいてくる。
「はい…」
何?何を言われるの?お隣りさんからこんな風に近寄られるて事は何かクレームかしら。
「あのぅ…明日からですね…」
「はい…」
「孫が遊びに来まして…」
「はい…」
「それなんで少し騒がしくなるかもしれませんが、どうかよろしくお願いします。」
「あぁ…そうなんですか…。はい、分かりました。」
「本当にすいません…。少し騒がしくなるかもしれませんが…」
「いえいえ!大丈夫ですよ。」
「明日から三週間ほど孫がここにいますけど…」
長っ!!三週間!?『遊び』じゃなくてもはや『疎開』じゃん!

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