「こういう山んなかにいるとさ…夜さ…、あえてトイレに行かずに真っ暗い外でおしっこしたくなるから、外でおしっこしちゃうんだけどさ…なんかふいに熊と来ちゃって食べられちゃうんじゃないかなぁ、なんて不安を感じるんだよね。」
「でもそうそう熊なんかいないでしょ?」
「でも分かんないぜ。東北の山んなかだぜ。しかもゴミもたくさんあるから、あさりに山を降りて来るかもよ。」
「熊ね…」
「熊と言えば、明治時代に7,8人人間を殺した人食い熊がいたらしく、あまりにも体がデカイんで冬眠するのに入れる穴がなくて冬眠出来ず人里に降りて来て女を襲って食べたらしいよ…。」
「熊って嗜好性があるらしくて一度、女の味を覚えた熊は女の人ばかりを襲ったらしいよ…。」
「マジでか…」
「で…その時、伝説のマタギってのがいたらしく…」
「おー!伝説のマタギ!?いーね!」
「でもこのマタギってのが普段どーしよもない奴らしく、周りの村人は『あいつはダメだ』なんて言われる人だったみたいで…」
「いーね!いーね!」
「でも銃の腕前は抜群なんすよ。」
「すげー!実際いるんだ!?そんな普段ダメ人間なのに、ある天才的な才能のある人って。」
「熊退治の軍隊は山の正面から隊列組んで登って行くのに対してそのマタギは1人、山の裏側から登って…」
「おー!おー!」
「1人風上に立って人食い熊に向かって発泡…」
「ほー!ほー!」
「2発の銃弾は熊の頭と胸を撃ち抜いたたらしいすよ!」
「すっげー!!映画みたいじゃん!ヒーローの条件揃い過ぎてるやん!」
「でしょ!!凄いっすよね!?」
「でもさ…その熊、どんだけでかかったやろね?」
「3.5メートルくらいあったらしいっすよ。」
「でか過ぎるやろっ!!」

5