「ごめんねー!ここまでさか出来なかった!」
そう言いながら彼女は慌ただしく作業着から私服に着替えて作業場を出ていった。
彼女はブラボーカンパニーを影で支えてくれるスタッフさん。今回、『勇者ヨシヒコ〜』の段ボール細工を手伝いにわざわざ遠く隣県から来てくれたのだ。
ブラボーカンパニーを手伝ってくれてもう10年。彼女の段ボール技術も半端ではない。何よりも彼女は段ボール細工のどんな工程も楽しんで作ってくれる。仕事も丁寧。めんどくさがりも一切しない。
肌色のガムテープを貼って作られたのが彼女が作り残していったパーツ。どこのパーツかはまだ言えないが、どうよ?この曲線。手前の平たい段ボールがあの通り!
僕も思わずうなる素晴らしい出来なのである。


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