段ボール小道具をつくる際、僕らは『段ボール切りハサミ』というものを使う。少し普通のハサミとは違い、厚みのある段ボールを切るので少しごつい。指先の力で切るハサミとは違い、手のひらを使って握手するようにガシガシ切っていくのだが、やはりこのハサミが断然切りやすい。勿論、僕らの段ボール小道具はこのハサミを使って作られたものだ。
〜とある作業場〜
「(山本さん)あー、段ボール切りバサミ、ないか。」
見ると、なるほど、今日は段ボール小道具作りを手伝いにお手伝いさんが来てくれてる。そのお手伝いさんに段ボール切りバサミを貸してあるのでどうやら山本さんの分の段ボール切りバサミがないようである。山本さん、普通のハサミで工作している。
見ると僕の机には使用していない僕の段ボール切りバサミが1つ!僕は担当していたロストテクノロジーのモンスターが形が出来上がったので色塗りの段階。だからしばらく段ボール切りバサミは使わない。我らの小道具チーフともあろう者が普通のハサミじゃかっこつかない。ここは僕のハサミを山本さんに。
右に段ボール切りバサミ。左に山本さんが使っていた普通ハサミを手に僕は山本さんの後ろに立つ。
「(僕)あなたが使ってたのはこの持ち手がオレンジの段ボール切りバサミですか?それともこの水色の普通のハサミですか?」
「(山本さん)あ、そのオレンジの段ボール切りバサミです!」
「(僕)あなたはウソつきですね。両方とも没収です。」
「(山本さん)おいっ!!」


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