代々木公園。平日。そしてあいにくの天気ではあるが、出かけてみた。
もう夕方になろうとしていたが、代々木公園来たからにはちょいと喋るか、なんて。
『錦銘竹(きんめいちく)』って小噺を。ちなみに漢字合ってるかな。
これはある、古道具屋に現れた早口の関西弁を喋る商人と古道具屋のおかみさんとお手伝いさんのお話。早口の関西弁が聞き取れなかったおかみさんとお手伝いさん、帰ってきたご主人に留守中にやって来たこの、関西弁のお客さんの事を話そうとするんだが、聞き取れていないものだから、ご主人にはちんぷんかんぷん、といったお話である。
喋ってると、沢山の人と目が合うわけだが、勿論ほとんど素通りしていく。
そんな中…金髪の外国人男性を連れた女性と目が合う。目が合う、というより明らかにこっちを見て近づいてくる!何だ!?さすがに一旦、喋るのをやめて話かけてみる。
「(僕)あの…何か…」
「(女性)無名塾の方ですよね?」
「(僕)ええ…そうです。僕を知ってるんですか?」
「(女性)『かもめ』観ました!」
「(僕)ええ!?そうなんですか!?」
女性は仲代さんのファンらしく、それで無名塾に『かもめ』を観にいらしてくれたそうで…。僕の顔はすぐにわかったそうで…。
まさか、そんな方にお会いするとは!
「(女性)サイン…いいですか?」
「(僕)ええ…。良いですけど…僕、サイン持ってないんで…サインと言っても、普通に署名になってしまいますが…」
〜
そんなこんなで帰りの電車に揺られます。
向かいの席では乗り込んできた、とある二人組の乗客に女の子が席を譲っている。自分が席を譲る事でこの二人組が席に座れるのだ。優しい女の子だ。その女の子は僕の隣に座る。勢い良く座ったから、女の子は後ろの窓に後頭部をゴツン。
「(女の子)あいて。」
この可愛い女の子を乗せた電車はゆっくりガタンゴトン…。

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