最近、早朝に釣りに出かける。自転車で10分。多摩川や多摩川沿いの池へ。
早い時は朝方4時や5時に起きて、釣竿と網を片手に自転車にまたがる。
池に着くや否や仕掛けを投げるわけであるが、この池!とにかく生命反応が凄い!池の周辺は一応、草は刈られてるものの、周辺以外は草やぶである。
釣りをしていても、後ろの草むらの中で何が動いているのか《ガサガサ》と音がする。池の上をのんびりカモの親子が泳いでる。かと思えばどこかからか、《ギャーギャー》と時代劇さながらのベタな鳥の叫び声。パシャン!と水面を跳ねる魚。あちらではおそらくコイがエサを探してるのだろう、アシの茂みが激しく揺れている。
そんな中、僕は釣りをするわけであるが、ある時、ふと背後に何かしらの気配を感じる!第六感って奴!《後ろ!》と後ろの草むらを振り返る!
見てしまった…。噂には聞いていたが、初めて現場を見たよ…。
カマキリがカマキリを喰っている…。話には聞いた事がある。交尾を終えたメスカマキリはオスカマキリを喰ってしまうってのを。だから男を食い物にする女の人をカマキリ夫人って言うらしい。
これか…。初めて生で見たが、おぞましい光景だな。メスカマキリはカマでガッチリとオスカマキリをロックしている。大きなお腹と後ろ足だけがピクピクと力弱く動いているオスカマキリの胸をメスカマキリはむさぼっている。
どんな動物であれ、共食いってのは怖いな…。そんなおぞましい光景に目を奪われていたその時!
メスカマキリが僕を見る!むさぼるのをやめて僕をじっと見ている…。
「(僕)大丈夫…。俺、何も見てないから…。絶対誰にも言わないから…。言わないから…。」


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