約2000年前。中国。中国大陸の3分の2を支配した曹操(そうそう)は約80万の軍勢で中国南部に攻めこむ。
広大な河である長江(ちょうこう)を挟んで、これを迎え撃つのは孫権(そんけん)と劉備(りゅうび)の連合軍。しかし連合軍と言えどその数、わずか3万数千。もはや勝ち目なし。降伏すべし!との声があがる中、劉備軍の頭脳である、諸葛孔明(しょかつこうめい)は言い放つ!
「敵は1000キロ彼方から、ここにやって来ており、疲れがたまってます。そして慣れない土地と水に体調を崩している兵士も多いとか。さらには敵は馬での戦いには強いですが、河での船の戦いは苦手のようで、船酔いする兵士も多数。そこにきて曹操軍の兵隊の多くは国を滅ぼされて無理矢理従わされてる者達で、曹操の為に命を賭けようとする兵士は少数です。以上の条件を合わせると、私の計算では曹操軍80万と言えど、実際まともに戦えるのはせいぜい15〜20万と言ったところです。綿密かつ慎重な作戦をたてればこの戦………勝機あり!かと。」
「(孫権・劉備)勝てるっ!」
〜バスの中〜
さて…高知までの11時間…いかに過ごすか…。これが問題なんだよな。これがせめて半分の6時間くらいならまだなぁ…。
そんな中、僕の頭の中にふと諸葛孔明が現れる。
「旅程11時間と言えど始めの2時間はまだ車内も明るく外の景色を楽しむ事も可能です。そしてラストの3時間はこの季節、夜も明けており、何よりも故郷に近づいた事によりテンションも高ぶり気力も一気に回復すると思われます。以上の条件を考えますに旅程11時間と言えど、実際退屈と戦うのは夜10時〜朝4時までの約6時間といったところです。そこを乗り切れば、この旅程…勝機あり!かと。」
この旅程…勝てるっ!

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